小林リズムの紙のむだづかい(連載425)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載425)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載425)



【思考するよりも身体の反応が高速】


 仕事から帰ってきて、鍵をお財布から取り出して、がちゃがちゃと差し込んで動かしていつものようにドアを開けて部屋に入ると、変な気持ちがした。なにかが、おかしい。なんだろうと首を傾げてキッチンをみると、そこには見覚えのない水道料金や光熱費の書かれた紙が置いてあった。さらに横にあるゴミ箱が空になっている。呆然とした気持ちで電気をつけると、開けたままだったはずのカーテンがきっちりとしまっている。

 誰かがこの家に入ったんだ……。

 盗まれたものや、お金の心配なんてまったく思い浮かばなかった。(ていうか、盗むようなものがないし)。それよりも、誰かが入ってきたかもしれないという不安や気持ち悪さに胸がすーっと冷えていった。硬直しながら玄関に立っていると、ガラステーブルの上に青汁の粉末が置いてあるのに気付いて、朝方に電話で話した母との会話を思い出す。
「お母さんからもらった青汁の粉末、超マズイけどヨーグルトに混ぜたら結構イケたよ」
「そう? じゃありっちゃんの家に置いておいてあげるよ。時間あったら」
 そうだ。母がきたのだ。気持ちが安堵してこわばった身体をやわらげようとしたら、腕に鳥肌が立っていたことに気づいた。この暑い時期というのに。

 どんなにささやかで狭くても、一人暮らしの部屋は自分の城だ。誰にも侵されない完全にくつろげる自分だけの居場所。その空間に誰か知らない人がずかずかと入ってきたのだと思ったら、気持ち悪いという言葉を軽く通り越してパニックになった。私は自分がいるとき以外に人を家に招いたことがない。

 母は、実家へ帰る前にわざわざ私の部屋の掃除機をかけてトイレの掃除までして、干していた洗濯物も取り込んでたたんでくれたらしい。ベッドの上に並べてたたまれた服を見ていたら、不思議な気持ちでいっぱいになった。これは、自分の留守中に付き合い始めたばかりの彼女が家にあがりこんでいて、知らない間に掃除や洗濯をし、ご飯をラップに包んで置いて行きながら「お疲れ様♡」などと書かれて机にメモが残されて途方に暮れている彼氏の心境かもしれない。なるほど、合鍵を渡す関係というのは、こういうことなのか。
 ついこの前、親友が付き合い始めた恋人に「合鍵を渡すか迷ってるの」と話していたとき、私は簡単に「何か盗まれるわけじゃないんだし、いいじゃん渡しちゃえば」などと言ったけれど、思ってたより簡単に渡せるものじゃないね。私はわりと簡単に友達に合鍵を渡してしまうほうだけど、無防備な状態で攻め入ってくるということを想像したことがなかった。けっこうプレッシャーかもしれない。


 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。