小林リズムの紙のむだづかい(連載417)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載417)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい

【生きていかないと】


宇野千代さんの本を読んだ。タイトルは「生きて行く私」で、彼女の自伝的な内容が書かれている。明治、大正、昭和、平成を駆け抜けるようにして生き抜いて98歳の生涯をまっとうした彼女の人生は、「破天荒」がぎりぎり許される年齢である(願望)私から見ても考えられないくらいに奔放だった。
原稿料もらうために「2〜3日したらすぐに帰ってくるからね」と告げて、キッチンの洗い物もそのままにして、さらに汚物もタンスに突っ込んだまま北海道から上京した千代さん。信じられないことに東京にきてすぐに恋に落ちて、北海道に夫を残したまま、新しい彼と東京で暮らし始める。
そんな非常識なことは今だって許されないのに、当時だったらもっと奇特な人だと思われたと思う。それでも周囲の目なんておかまいなしに、自分の好きなように生きまくるのだ。
あるとき、小説の題材で「心中」するシーンを書こうと思った千代さんは、当時、愛人と心中したとゴシップ記事に書かれていた東郷青児に直接連絡する。
「もしもし?あの、私は小説家の宇野千代なんですけど、今度本に心中するシーンを書こうと思ってるんです。だから、心中したときの男性の気持ちとか教えてもらえます?」
というノリの軽さもたまげたもの。「え…そんな(センシティブな)ことを電話で話すんですか?」と驚いた東郷青児は、その日のうちに千代と会う約束をする。そして、その日に出会ったばかりのふたりは、その日のうちに寝てしまうのだ。それも、東郷が愛人と心中するときに使った、血でガビガビに染まった蒲団の上で。信じられない。そんなシンジラレナイことも、すごく淡々と描かれているから、結構ふつうのことのように飲み込めてしまう。
生涯に4度結婚をし、そのたびに新しい家を建てたという彼女。修羅場もくぐりぬけるし、貧乏も経験するし、もうすべてがスゴすぎて、何がスゴいのかもわからなくなってくる。けれどそんな千代さんから発せられる言葉のひとつひとつは、実体験が伴っているだけあって人の心の核心を突く。
『失恋って、当の本人は苦しい苦しいと言っているけれど、本当は終わった恋をいつまでも思い出して楽しんでいるようなところがあると思う。本当に苦しいなら、一秒でも早く忘れる努力をするはずだから。』
なかでも私が一番ステキだと思ったエピソードは、小学校の教員だった頃の話だ。教員になった千代は、色白でひょろっとした同僚に恋に落ちる。いてもたってもいられなくなった彼女は授業中に彼へラブレターを書き、「これをあの先生へ持っていって」と生徒に頼んで運ばせるのだ。こんな教師、現代では絶対いない。いたら問題になるレベル。
私が彼女を素敵だなぁと思うのは、彼女は自分の生き方を誰にもジャッジをさせないところだ。自分の人生の価値や、幸や不幸を決めるのは自分であって、人から見た幸せを基準にしない。だからまるで周りからの評価を気にしないし、どんなふうに言われても堂々と自分の道を闊歩する。そのあっけらかんとした図々しさは、読んでいてとても清々しかった。



 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

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