小林リズムの紙のむだづかい(連載413)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載413)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい

【完熟トマトみたいな人】



 田辺聖子の本のなかで人に「演技をしながら生きるタイプ」と「演技をせずとも生きていけるタイプ」があるという一文が出てきて、確かにそれある…!と大きく頷いてしまった。ごくまれに、裏表がなくて正直に生きている人を見かける。失礼なこともバンバン言うかわりに、言葉に嘘がないことがわかるから自然と人から好かれる。彼らのストレートな失言を耳にしていると「あー、あたしは腹黒いな」とひしひし感じるのだ。

 太っている女性に「身体大きいよね」と言えたり、暗い人に「地味だよね」と言えてしまう彼らはいったいどんな成分でできているんだろう。けれどそれらの発言が嫌味に聞こえないのは「太っている」ことや「暗い」ということに関して、あまりマイナスにとらえていないからなのかもしれない。「ま、それもアリだよね」くらいに思う大きな器があるから、失礼とは思わずに言葉にすることができるのだ。一方で、「太い」「暗い」にネガティブイメージを持つ人は相手にそれを言えないし、心の中ではそのことに対して同情したり、ときには見下すことすらあるのかもしれない。私は逆立ちしてもなれない彼らの正直さと素直さに直面すると、彼らが異星人のように思えるのだ。そして異星人と接すると自分の性格にもやもやと苦しくなる一方で、憧れや居心地の良さから惹かれたりする。精神的に健康で単純な人が好きだ。つまりは、自分と正反対の人。

 ところで、私の父は素直でない。プライドが高いというよりは、チキンという感じ。臆病さゆえに人から拒絶されることを恐れるタイプで、自分の正直な感情や言葉を伝えることができない。殊にそれは身内に対して顕著であるように思う。そして悲しことに、この性格はきっちりと私に遺伝してしまっているから、私には自分のことのように父の言動や望みが手に取るようにわかってしまう。
 この間も、父から「来週、東京にいくから」という連絡があった。「東京にいくから」しか言わない父に苛立った。「ご飯でも一緒に食べよう」とか「泊めてほしい」とか、ちゃんと自分で言えばいいのに、と思う。自分では言わずに相手が察して提示するのを待っているスタイルが自分と酷似して、私はますます頑なになる。人に頼ったり、お願いすることが極端に苦手なのだ。それをするくらいなら、自分でなんとかしてしまったほうが手っ取り早い…そんなこじらせ方が私と父は似ている。

 演技といっても多かれ少なかれ誰でもするものだし、生身の自分でぶつかることばかりが正しいわけじゃない。わかっていても、傷ついたり拒否されることをまったく視野に入れず、あるいは視野に入れていても気にせずに、正直に生きている人を羨ましいと思う。



 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。