星エリナのほろよいハイボール(連載79)

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星エリナのほろよいハイボール(連載79)


ボーダーは避ける
星エリナ

 
 小学生のころは、両親共働きのため、すぐ近くに住んでいた母方の祖父母の家へ帰っていた。すぐ近くに住んでいる孫はかわいくてしょうがなかったのか、祖父母は私のことを甘やかした。祖母は甘やかすだけでなく、母の代わりに料理を教えてくれたし、いろんな躾をしてくれた。祖父は特に私を甘やかした。学校から帰ってきた私にたくさんのお菓子を与えた。祖父と一緒に食べたかりんとう芋けんぴが今でも好物。よって、小学生のころの私はかなりのおデブちゃん。
 母はいつも私のことを「太ってる」「デブ」、「その割には貧乳」と罵ってきた。そのおかげで、自分は人よりも太っているのか、という認識がずっとある。だから甘いものは遠ざけてしまうし、食べ放題は気をつける。洋服も身体のラインが見えてしまう服は避けてしまう。
 それでも高校生くらいからは思っているよりデブではないんじゃないか、「ぽっちゃり」系なだけではないか、と思うようになった。少しずつ身体のラインが出る服を着始めた。スキニーパンツとかね。短パンなんて履けないって思っていたけれど、履くようにもなった。それでもずーっと避けていた服がある。
 ボーダー。つまり横じまの柄が入った服。ボーダーは横幅が太く見えてしまう。ストライプ、つまり縦じまのほうがスラーッと見えるんだって。だからボーダーはずーっと避けていた。大学生になってからは、中にボーダーを着て、上からジャケットを羽織ったり、パーカーを着たりすることはしていた。そうするとおなかの部分にボーダーが見えないから。
 さて、先日、入間のアウトレットにはじめて行った。思っていたより敷地が狭い。それをカバーするように全てのフロアが二階建て。普段からよく利用しているブランドが多く、プレミアムアウトレットのような高級感はないが、親しみやすいと思った。子どもも多いしペットも多い。
 そこで私は赤いボーダーのトップスに出会ってしまったのだ。シンプルな半袖で、白地に細めな赤いライン。今年はまたマリンが流行ると聞いたこともある。すごくカタチも好みで一目ぼれ。だけどやっぱり、ボーダーってだけでちょっと迷う。いやでも、ちょっとチャレンジしてみようか。でもさらに太く見えて一回しか着れなかったらどうしよう。あーでもないこーでもないと一人で考える。
「試着、されますか?」
 見かねた店員さんに声をかけられ、私は試着室へ。着てみると、思ったよりも太く見えない! むしろすっきりとしたシルエットで、細身のロングスカートやデニムパンツとも合いそう。
 そんなこんなで、ボーダーのトップスを買った。何年ぶりにボーダーを買ったんだろう。少しずつ服装のイメージを変えていきたい。

 

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