明治大学和泉図書館へ行ってきました!

明治大学和泉図書館へ行ってきました!
町田直規(日芸図書館職員) 


 平成26年3月18日(火)に,清水正図書館長,戸田浩司図書館事務課長,八田京子図書館事務課長補佐,山崎恭子図書館事務課長補佐,そして私,町田直規の以上5名で明治大学和泉図書館へ行ってきました。正門からすぐ近くにその図書館はあります。案内してくださったのは,明治大学学術・社会連携部和泉図書館事務長の坂口雅樹氏です。図書館長室にて坂口氏からの説明を受けた後,1Fから順に上の階へ案内していただきました。
 まずは,1F入口横のホールです。教卓を中心に,扇形に配置された椅子が並び,双方向の意思疎通がしやすい空間となっています。外壁はガラス状になっていて,正門を出入りする人の興味をそそります。また,ガラスには図書のデザインもさりげなく印字されていて,遊び心のようなものを感じます。ホールの隣にはギャラリーがあり,貴重資料の壁はガラス状になっていて,正門を出入りする人の興味をそそります。また,ガラスには図書のデザインもさりげなく印字されていて,遊び心のようなものを感じます。






ホールの隣にはギャラリーがあり,貴重資料の展示や関連映像が投影されていました。私たちが訪れた時は,第18回企画展示「『日本近代文学文庫』の招待」が開催されていました。『吾輩ハ猫デアル』,『羅生門』,『地獄變』などの初版本が展示されており,貴重な資料を身近に感じることができました。


ホールとギャラリーの向かい側には,サロン(FORESTY COFFEE)があります。こちらも,外壁はガラス状になっており,開放的な空間でとてもリラックスできます。椅子の高さや種類も何種類かあり,その時の気分で選べる楽しみもあります。エントランスには他にも,各種案内のサインや掲示板・電子掲示板があり,どれもデザイン性に優れたものでした。投書の解答欄もあり,情報公開の姿勢が伺えます。


入荷ゲートを通過すると,貸し出しカウンター,レファレンスカウンター,サーチアシストコーナーが並んでいます。役割を分担し,混雑解消ときめ細やかな対応をしようという姿勢が感じ取れます。サーチアシストコーナーの近くに,明大教職員・校友の著作図書を現物とPOPで紹介するコーナーもありました。坂口事務長によると,以前,坂口事務長が日芸図書館に来館された際に,「日芸関係者の本」コーナーに感激され,それを参考に急遽設置したコーナーだそうです。

奥へ進むと,レファレンスブックを中心とした書架があります。特に,シラバス本については,具体的な請求記号を振らず,「政//ミ//和泉シラバス//禁帯出」というようなラベルに統一し,配架や利用を簡易化している点が特徴的です。書架の棚は床と平行になっているわけではなく,奥が少し下方に傾いた設計のものを使っています。この書架にすることで,図書の背表紙が見やすくなり,細かい配慮が見て取れます。書架の端には小さな椅子も用意されていて,ちょっとした休憩や荷物置きに便利です。また,このエリアの照明は間接照明になっています。その一方で椅子は赤い色など,アクティブな印象の空間となっています。



情報リテラシー室は3部屋あり,その区切りと入口側と奥(壁側)はガラス状になっていて,内外からお互いに刺激を授受できるしかけができています。机は円形で6人用ですが,1人用ごとに分解もでき,活発な議論の助けとなっているようです。ノートPCはこの部屋で借りられます。特徴的なのは,簡単な操作と学生証スキャンで貸出・返却できるロッカーが設置されていることです。面倒な申請等は不要で,気軽に借り受けられるのは非常に便利なはずです。情報リテラシー室の隣は新聞コーナーです。その日の朝刊の1面記事が一目で見えるように並べられていました。また,大きな電子パネルが2台あり,電子版の新聞を閲覧することもできます。新聞を閲覧できるスペースも用意されていて,そこにはクッション状の椅子もあるなど,ちょっとした談話も楽しめそうです。特設コーナーには,「オススメの本棚」のコーナーがありました。「たった1冊の事務長本」というスペースもあり,私たちが訪れた際は貸出中の状態でした。他にも,自動貸出機や,館内用の籠なども準備されていました。







 2階へ上がると,やはり圧迫感を感じさせないガラス状の壁がほとんどでした。ちょっとしたソファーは,茶色・赤色・灰色・黄色など,マーブルチョコのような色の組み合わせで並んでいました。共同閲覧室には,キャスター付きで容易に移動できる机・椅子とホワイトボードがあり,この日も多くの学生が利用していました。奥へ進むと,グループ閲覧室が6部屋あり,予約も各部屋の入口のタッチパネルででき,便利そうです。こちらの各部屋には電子黒板も用意されていて,羨ましく感じました。2〜4階には携帯電話ボックスが設けられています。これは,携帯電話等で通話したい時や,電話がかかってきたときなどに利用できる空間です。フロアーの一画を切り取ったようになっていて,ガラス状で,広さは十分かと思います。閲覧席も個人用ソファーや赤い椅子,木目調の椅子など様々です。また,電卓室はこの階にしかなく,上層階はもっと静かな空間になっています。フロアーの端には,大学院生対象の,教育補助講師による外国人留学生のための日本語論文添削指導のコーナーもありました。また,2〜4階には積層集密書庫があり,ガラスの壁で仕切られていました。その状態を正面から(または下から)眺められるかの如く,ソファーが並んでいます。実際には,多くの男子学生がソファーにゆったりと身を任せ,熟睡していました。中には靴を脱いでまで熟睡している人もいました。治安のよい日本ならではの光景を目の当たりにしました。もともと,そういう需要を見越して,それに合ったソファーを選んだらしいので,狙い通りの効果が表れていると思います。













 3階の閲覧席は,茶色を中心とした色の机・椅子が多く並び,1〜2階よりは落ち着いた空間に感じられます。白色(クリーム色)のソファーは窓側を向くように並べられ,リラックス用に用意されていました。ここで仮眠をとることもできそうです。この階は0〜3門の図書が配架されていますが,書架の配置も凝っていて,斜めに配置されています。図書の背表紙がよく視界に入り,効果的な配置方法だと感じました。



 4階の閲覧席は,黒色を中心とした色の机・椅子が多く並び,書架も黒色で統一されていました。これらにより,下層階よりもさらに落ち着いた空間を演出しています。OPAC(電子蔵書目録)は各階に設置されていますが,例えばこの階には4台設置されていて,混雑緩和を狙っていることが伺えます。また,中庭もあり,それに向かうようにソファーも設置されていました。訪れたのは日中でしたが,中庭に照明がありましたので,夜はライトアップされるのだと思います。デッキやテラスもあり,特にデッキは外の空気を吸ってリフレッシュできるので,とてもいい環境整備だと思います。実際,外の風が心地よく感じました。研究者用個室は5部屋あり,扉付の完全個室になっていました。とはいえ,扉はガラスなので中の使用状況も一目でわかり,万一の危機管理にも対応できるようになっています。




このフロアーの奥まったところに,リフレッシュコーナーがありますが,席は2人までしかないので,「カップルルーム」だとか「ラブラブルーム」だとかいう冗談も交わしていました。

さらに,この階には特殊コレクション室があり,今回,特別に中に入らせていただきました。この部屋には主にレコードやCDが大量に保管されていました。貴重な資料の数々に私たちはただただ,圧倒されるのみでした。

これで,見学自体は終了し,図書館長室にて再度坂口氏からの補足説明を受け,意見交換をし,訪問終了となりました。


 明治大学和泉図書館は,「入ってみたくなる図書館」を目指し,建設されました。コンセプトの重要点でもある,滞在型図書館としての工夫が各所に見られ,実際にその効果が表れている,そのような図書館だと感じました。

写真撮影は清水正(私が写っている写真は町田さんが撮影)
なお、肖像写真は本人の許可を受けております。無断転用はご遠慮ください。