星エリナのほろよいハイボール(連載71)

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星エリナのほろよいハイボール(連載71)

先輩方が卒業した
星エリナ
 

 3月25日。卒業式が行われ、ひとつ上の先輩方が卒業されました。
 私の大学生活の思い出の中には、ほっとんど先輩方がいたと思う。入学したばかりのときにひらかれた文芸学科新入生歓迎会のときからはじまり、行事やサークルではいつも先輩と一緒だった。それからどんどん仲良くしていただき、この一年ではプライベートでも一緒に飲んだり遊んだりしてもらうことが増えた。今まではやはりちょっとお互いに遠慮していた先輩も、最近一緒に飲んだときは鋭いツッコミとともに脇腹を殴られるまでの仲になった。Mではないんだけれども、遠慮なくツッコミあえる仲になれたことは本当に嬉しいので、殴られたときは「よっしゃ!」と思った。
 25日は昼過ぎから江古田校舎でお手伝いをした。先輩方の卒業式なので、目立たないようなワンピースにした。保護者のようだと言われたけれど、それは地味だってことだったのかな。それとも老けてるってことだったのかな。
 先輩方が受付で学生証を返還していくところを見て、はやくも私は泣きそうだった。無造作に重ねられたたくさんの学生証たち。四年間、もしくはそれ以上の間みなさんが持っていた学生証。なんだかんだいろんな際に使ってきたと思う。先輩方の学生生活が詰まってるんだなあ、と切なくなった。
 文芸学科の学位授与式では上田先生のありがたいお言葉を一緒に聞き、先輩方ひとりひとりの名前が呼ばれ卒業証書を渡されていた。みなさんの名前を聞いていると「あ、知ってる」とか「芸祭でお世話になったな」とか「ディズニー行ったな」とか、ひとりひとりとの思い出が蘇った。私はこんなにたくさんの先輩と関わることができたのか、と思うとここでまた泣きそうになった。
 そして卒業パーティーの手伝い。ここまで手伝わせてもらえたことが嬉しくて、感謝している。お世話になった先輩方のためにちょっとでもできることをしようと思っていたから。
 本当は先輩方に手紙を書こうと思っていた。中学生のころ、吹奏楽部の先輩が卒業するときに手紙を交換した。本当に嬉しいことが書いてあって、でも先輩方が卒業してしまう寂しさをより強く感じていたことを思い出す。
 そう思って実は便箋まで引っ張り出した。だけど、何も書けませんでした。
 出会いから振り返って今までを書こうと思ったけれど思い出が多すぎて書き出せないし、ひとつひとつを思い出す都度、涙が出て次第にペンを持つどころじゃなくなった。と、いうことで、別のカタチにしようと思い、地元川越の銘菓をお一人ずつ配ることとなった。喜んでもらえて嬉しかったです。
 一年後、自分も卒業する、ということが想像できない。ずっとずっとのんびり学生生活をおくれるんじゃないかと思ってる。焦ってもしょうがない。結局、自分らしく生きていくんだろうな。

 

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