小林リズムの紙のむだづかい(連載362)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載362)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/ )から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。


小林リズムの紙のむだづかい

【非現実的な空間を売る】



 
途中下車して本屋さんに寄ろうとしたら、見たことのあるような顔に遭遇した。背広を着て、俯き加減であるいている。頭はハゲていて、ふっくらした顔つきのオジサン。
誰だっけ…?
思い出そうとしていたら、目が合った。その瞬間、思い出した。
あ、あれはスナックで働いていたときの、お客さんだ…!
お店のときとは違って、しっかりとサラリーマンをやっている。顔つきも険しいし、背筋も伸びている。別人みたいだった。私も髪の毛は巻いていないしアクセサリーもつけていない。コートも地味で、ふつうの社会人っぽい恰好をしている。
オジサンは目を見張って私を確認したあと、上手に目を逸らした。可笑しかった。なんだかひどく現実的だった。現実の濃さというか、揺るぎなさというか、圧倒的な強さを感じて、リアルすぎて夢かと思った。

何かのフリーペーパーを読んだとき、キャバ嬢がインタビューをされているなかで、
「私たちの仕事は、お客様に非現実的な空間を売ることなんですよ」
と答えていたのを思い出した。なるほど、と思った。こういうことなんだなぁって。

お酒とお金と煌びやかな海にのみこまれ、仕事や人間関係の苦悩なんてまるでない。笑って飲んで、盛り上がる。憎悪も嫌悪も面倒ないざこざもないように見える、仮想空間。実際には問題ごとも緊張感もあるけれど、それが表面的にならないから余計に幻想的だ。けれど、いったん目が覚めて現実世界に戻ってしまえば、気まずい気持ちにしかならない。見てはいけないものを見てしまったかのような気分。夢の世界では夢を売り、お互いの良い部分しか見せていないから、そっと目をそむけたくなる。

ミッキーマウスがその着ぐるみを脱ぎ捨てたとき。中の人間が家でテレビを見ながらスルメをかじっているということを知りたい人なんてどこにいるというのか。できれば知りたくないし、夢だけを見させてほしい。ミッキーは夢の世界にしか必要がないように、夢の世界の人間は夢の世界のままで完結させなくてはいけないのだと思った。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。