小林リズムの紙のむだづかい(連載361)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載361)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/ )から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。

小林リズムの紙のむだづかい

【妊婦vs老人】


 
満員電車の入り口付近に立っていたら、途中の駅でおじいさんが乗り込んできた。帽子をかぶって、眼鏡をかけて、スーツを着ている。年齢は70代くらい。おじいさんは人混みをかきわけて、優先席付近へと向かっていった。優先席には寝ているサラリーマンが2人と、妊婦さんが1人座っている。おじいさんは黙って周りを見渡したあとに、大きな声で叫んだ。
「ここは優先付近なので、携帯電話を使うのはやめてください」
近くで携帯をいじっていた人たちは「ヤレヤレ…」という感じでスマホをいじるのをやめた。おじいさんは改めて周囲を見渡す。そしてイヤフォ
ンで音楽を聴いているサラリーマン男性を発見し、ふたたび「携帯を使うのをやめてください」と注意した。

男性「これは携帯じゃないですよ」
老人「でも私には違いがわからないんです。電源を切ってください」
男性「…はい、わかりました」
老人「切ってください」
男性「はーい、切りましたよー」
老人「当然です」

おじいさんは年のわりに背筋がしゃんと伸びていて若々しくみえた。話し方は学校の先生のようにはきはきと丁寧にしゃべっている。ふと目をやると優先席に座っていた妊婦はまったく気にしない様子でふつうに携帯をいじりはじめた。老人は怒る。

老人「聞いてましたか?ここは優先席なので携帯をやめてください」
妊婦「どうしてですか?」
老人「それが決まりだからです」
妊婦「携帯はペースメーカーに影響を与えません」
老人「でも決まりなんです」
妊婦「じゃああなたは法律で人を殺せって決められたら殺すんですか?」

老人vs妊婦という異色の言い合いに、聞き耳をたててしまう。話の流れが極端なうえに噛み合っていない。

老人「君は馬鹿だねぇ。お話にならないよ」
妊婦「どうして携帯を使ってはいけないんですか?あなたは気に入らないから文句を言いたいだけに見えます」
老人「君みたいなおバカさんが母親になるなんて悲しいよ」
妊婦「……。」
妊婦さんの殺気立っているオーラみたいなものが伝わってくる。効果音を出すなら「キッ
!」っていう感じ。私も聞いていてムッとした。

妊婦「決まり決まりって、決まり事ばかりにとらわれて思考が停止しているんじゃありません?メディアの情報を鵜呑みにするタイプですよね」
老人「もういいです。あなたはお話になりません」
妊婦「そうやって年寄りは自分の話を押し付けてくるだけですよね」

妊婦さんはどちらかというとヤンママタイプで、茶髪ロングで髪の毛が傷んでいた。だからメディアなんていうワードが突然飛び出してきたことにびっくりした。

老人「私は膝が痛いんです。73歳になります。君は元気そうなので席を譲ってくれませんか?」
妊婦「このお腹みてわかりますよね?私は妊娠しているんですよ?」
老人「でも元気そうだ」
妊婦さんは頑として席を譲りたくないと主張する。確かに気が強そうだけれど、見た目でも妊婦だとわかるくらいにお腹はふくらんでいる。私は、両脇に座って寝たふり(たぶん絶対)をしているサラリーマンにイライラした。彼らが譲れば問題は解決しそうなのに、都合の悪いことに目を瞑るだけだった。

そうこうしているうちに反対側の優先席から「おじいさん、もういいですよ、僕がこっちの席譲りますよ」という声が聞こえてきた。おじいさんは「けっこうです」となぜか断って、意地でも妊婦に譲ってもらおうとうする。妊婦さんは気まずくなったのか、「もういいです!」とぷんぷん怒って御茶ノ水駅で降りて行った。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。