小林リズムの紙のむだづかい(連載354)

小林リズムの紙のむだづかい(連載354)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/

小林リズムの紙のむだづかい

【不在の侵入者】


 


私のスマホは、もう長い間使っているせいかお亡くなりになりかけていて、充電がマッハでなくなる。節電のためにサイレントモードにし始めたら、連絡に気付かなくなった。もともと無精な性格だから、メールや電話もあまりしないのだけれど、サイレントモードにするとメールの着信も電話の着信に気づきさえしない。きっと連絡をくれる人には多大な迷惑をかけているだろうな…と思いつつも、サイレントモードは続行している。

そして、気付いたらフリーダイヤルの電話番号からしつこく着信があった。
なんだろう…?と思ってかけなおすと、お姉さんの声でなにやら細かく説明してくれた。簡単にまとめると私の住んでいるマンションにインターネットをとりつけることになり、自宅に入って工事をするから立ち会ってほしい。そのためにスケジュールを調整してほしいという話だった。

私は、俄然張りきった。

ここ半年くらいで、誰かを自分の家に招くのが好きになった。人を呼ぶときは気合いを入れて部屋を掃除することができるから。大袈裟だけど、ウエディングドレスを着る心境と似てるのかもしれないなぁと思う。(着たことないけど)。誰かのためにぴかぴかに磨いた自分(部屋)を見てほしい!という気持ち。

そして遊びを禁じているから、ずっと家に人を呼んでいない私のストレスもフル。解消するのにうってつけだった。

「おお、じゃあいつお越しになりますか?」
と私が聞くと、お姉さんは申し訳なさそうな声で
「明日、明後日、明々後日で午前9時から午後6時の間で空いているお時間は…」
と言い始めた。……空いてない。仕事にいってるよワタシ。
「いや、ちょっとその時間帯は…」
と私が渋ると、
「管理会社の人にお願いをして、代わりに立ち会ってもらうということもできるのですが」
と提案してくれたので、頼むことにした。つまり、私の代わりに信用できる人(って誰)を呼んで、私のかわりに部屋の鍵を開け、工事する場所まで案内するということだった。

明日、私不在の部屋で、2〜3人のオジサンが家に入ってきて、工事を済ませてくれるらしい。なんて刺激的な話なんだろう。もしかしたらタンスとか冷蔵庫とか開けられる可能性もなきにしもあらずなのだ。いや、私は信用しているよ、大丈夫。私は顔をこの先も顔を見る予定のないオジサンのために、今部屋をぴかぴかに磨いている。虚しくて複雑な気持ちだけど、やっぱり誰かのためにっていう見栄は気持ちがいい。




 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。