清水正の「ドストエフスキー論」自筆年譜(連載10)

江古田文学」82号(特集 ドストエフスキーin21世紀)に掲載した「ドストエフスキー論」自筆年譜を連載する。

清水正の「ドストエフスキー論」自筆年譜(連載10)

二〇〇二年(平成14年)53歳

○「〈書評〉木下豊房『ドストエフスキー その対話的世界』」:「週刊読書人」(5月10日)
◎『土方巽を読む──母性とカオスの暗黒舞踏 (7月20日 D文学研究会)A5判・上製四五七頁 限定五十部・非売品
 ※「母性とカオスの暗黒舞踏──中村文昭著『舞踏の水際』を読む──」(「大野一雄の舞踏とドストエフスキー」「土方巽ドストエフスキーの人神論者たち」)所収。
◎『土方巽を読む──母性とカオスの暗黒舞踏 (7月30日 鳥影社)A5判・上製四五七頁 定価二八〇〇円
 ※D文学研究会版『土方巽を読む──母性とカオスの暗黒舞踏』の新装版。「あとがき」が異なる。
○「謎の女」:「Д文学通信」No.1042(10月29日 Д文学研究会)

二〇〇三年(平成15年)54歳

○「〈監修〉『〜お笑い芸人で読み解く〜ドストエフスキー罪と罰』」:「お暑いのがお好き?」(6月12日 フジテレビ)
◎『つげ義春を読め』 (7月30日 鳥影社)A5判・並製六七三頁 定価四七〇〇円
 ※「第Ⅳ部 つげ義春・回想と文学」(「わが青春の一モメント──ドストエフスキーつげ義春を読んでいた頃」)所収。
◎『つげ義春を読め 限定特装バージョン』 (8月30日 鳥影社 )A5判・上製六七三頁 定価九五二四円
 ※『つげ義春を読め』の限定一〇一部特装版。付録に栞「清水正を読め」
◎『志賀直哉ドストエフスキー(9月30日 鳥影社)A5判・上製二五四頁 定価四二〇〇円
 ※「序章 志賀直哉を読め」「Ⅰ章『暗夜行路』を読む──〈罪〉と〈罰〉の不在」「Ⅱ章 志賀直哉ドストエフスキー──三木利英『志賀直哉と大山』を読んで──」「Ⅲ章 従順な基督信徒・志賀直哉の非キリスト教的世界──中村光夫志賀直哉』所収「内村鑑三」を読んで──」「Ⅳ章『濁った頭』を読む」「Ⅴ章『濁った頭』と『罪と罰』──津田とラスコーリニコフの犯罪──」「Ⅵ章『大津順吉』を読む」「Ⅶ章『或る男、其姉の死』を読む」を収録。
○「〈講演〉志賀直哉ドストエフスキー」:(10月10日 白樺文学館)
○「アントン・チェーホフを読む(連載8)チェーホフの『かわいい女』を読む(1)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1063(11月30日 Д文学研究会)
 ※「ドストエフスキーの描く女性たち──『罪と罰』のカチェリーナ、ソーニャ──」「『罪と罰』を振り返る──長編少女マンガにも、俳句にも見える──」所収。
○「アントン・チェーホフを読む(連載9)チェーホフの『かわいい女』を読む(2)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1064(12月1日 Д文学研究会)
 ※「穏やかな波間に浮かぶ空き瓶の実存──ドストエフスキーからチェーホフへ──」所収。
○「アントン・チェーホフを読む(連載10)チェーホフの『かわいい女』を読む(3)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1065(12月2日 Д文学研究会)
 ※「〈かわいい女〉と烈しい女──ナスターシャ・フィリッポヴナ、アンナ・カレーニナとの比較において──」「〈かわいい女〉と不幸なクーキン──ドストエフスキーの『弱い心』との関連において──」所収。
○「アントン・チェーホフを読む(連載11)チェーホフの『かわいい女』を読む(4)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1066(12月3日 Д文学研究会)
○「アントン・チェーホフを読む(連載12)チェーホフの『かわいい女』を読む(5)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1067(12月4日 Д文学研究会)
○「アントン・チェーホフを読む(連載13)チェーホフの『かわいい女』を読む(6)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1068(11月30日 Д文学研究会)
○「アントン・チェーホフを読む(連載14)チェーホフの『かわいい女』を読む(7)──ドストエフスキー文学との関連において──」:「Д文学通信」No.1069(12月6日 Д文学研究会)

二〇〇四年(平成16年)55歳

◎『チェーホフを読め──空虚な実存の孤独と倦怠──』 (4月8日 鳥影社)四六判・上製四五五頁 定価三六〇〇円
 ※「『かわいい女』を読む──ドストエフスキー文学との関連において──」(「ドストエフスキーの描く女性たち──『罪と罰』のカチェリーナ、ソーニャ──」「『罪と罰』を振り返る──長編少女マンガにも、俳句にも見える──」「穏やかな波間に浮かぶ空き瓶の実存──ドストエフスキーからチェーホフへ──」「〈かわいい女〉と烈しい女──ナスターシャ・フィリッポヴナ、アンナ・カレーニナとの比較において──「〈かわいい女〉と不幸なクーキン──ドストエフスキーの『弱い心』との関連において──」)「『六号室』を読む──ドストエフスキー文学との関連において──」(「『六号室』と『分身』の出だしの場面に見る相違点」「グローモフの過去──チェーホフラスコーリニコフ──」「グローモフの〈不本意な罪〉──『分身』のゴリャートキン氏との関連において──」「六号室の〈日常〉と描かれざる〈大騒ぎ〉──ドストエフスキーチェーホフの語り手の性格の相違点──」「〈友情〉厚きミハイルとの旅──ドストエフスキーの『弱い心』との関連において──」)「『退屈な話』を読む」(「老教授の名前はニコライ・ステパーノヴィチ──『悪霊』との関連において──」)所収。
◎『遠藤周作の「沈黙」を読む』 (8月30日 Д文学研究会)A5判・並製二一一頁 限定五十部 非売品
 ※「四 ドストエフスキーの人神論者たちとロドリゴ」「二五 憐憫は情慾と同じ一種の本能──『白痴』との関連において──」所収。
◎『遠藤周作とドストエフスキ──ー『沈黙』と『真昼の悪魔』を読む──』 (9月30日 D文学研究会)A5判・上製340頁 定価三二〇〇円
 ※Д文学研究会版『遠藤周作の「沈黙」を読む』に「遠藤周作の『真昼の悪魔』を読む」「あとがきに代えて」を増補。
 ※「遠藤周作の『真昼の悪魔』を読む」(「三 遠藤周作はどこまでドストエフスキーに迫ることができるのか」「五 〈人を殺す〉のは悪か──『罪と罰』のラスコーリニコフとの関連において──」「六 〈二十日鼠〉殺しの実験──『悪霊』のニコライ・スタヴローギンとの関連において──」「八 ステパンとニコライ・スタヴローギンの関係」「九 女医とニコライ・スタヴローギンの相違点──『真昼の悪魔』の物足りなさ──」「一二 女医と『罪と罰』──女医の浅薄な『罪と罰』解釈──」「十三 女医と老神父の対話──ニコライ・スタヴローギンとチーホン僧正の対話のなぞり──」「女医の〈悪魔〉とニコライ・スタヴローギンの〈幻覚〉──両者の決定的な相違点──」)「あとがきに代えて」(遠藤周作ドストエフスキー」「憧れのドストエフスキー」「『おバカさん』と『白痴』」)所収。

二〇〇五年(平成17年)56歳

◎『暗黒舞踏論』 (3月21日 鳥影社)A5判・並製三九四頁 写真一〇三頁 定価三八〇〇円
 ※鳥影社版『土方巽を読む──母性とカオスの暗黒舞踏』(二〇〇二年)の増補改訂新装版。
○「萩原朔太郎ドストエフスキー──朔太郎が読んだドストエフスキーの本」:「江古田文学」25号(7月25日 江古田文学会
◎『三島由紀夫・文学と事件──予言書「仮面の告白」を読む──』 (9月10日 D文学研究会)A5判・上製391頁 定価三二〇〇円
※「美──『仮面の告白』と『カラマーゾフの兄弟』──」「自意識過剰の拱手傍観者と自己演出家──ドストエフスキーの地下男かと三島由紀夫──」所収。
○「〈講演〉ドストエフスキーの『罪と罰』の魅力を語る」(9月24日 柏・京北会館ホール)
 ※東葛自遊人楽校主催の講演会「清水正 芸術を語る」第三回目
◎『三島由紀夫・文学と事件──予言書「仮面の告白」を読む──』 (9月30日 Д文学研究会)A5判・並製三九〇頁 限定三十部・非売品
 ※D文学研究会版『三島由紀夫・文学と事件──予言書「仮面の告白」を読む──』の新装・私家版
○「〈講演〉ドストエフスキーの魅力『影響を受けた日本の作家』」(10月29日 柏・京北会館ホール)
 ※東葛自遊人楽校主催の講演会「清水正 芸術を語る」第四回目

二〇〇六年(平成18年)57歳

○「三島由紀夫が読んだドストエフスキー」:「江古田文学」61号(2月25日 江古田文学会
◎『ウラ読みドストエフスキー (6月8日 清流出版)四六判・並製四〇九頁 定価二六〇〇円
 ※『ドストエフスキーの暗号』(一九九四年)の増補改訂版。「第四章 ドストエフスキー〈言葉に隠された謎〉」を増補。
○「〈対談〉 チェーホフの現在(清水正・工藤正廣)」:「江古田文学」62号(7月31日 江古田文学会
○「〈座談会〉ドストエフスキー派から見たチェーホフ清水正・下原敏彦・下原康子・横尾和博)」:「江古田文学」62号(7月31日 江古田文学会
○「この陰鬱な曇り空は永遠に晴れない──チェーホフの戯曲『イワーノフ』を読む──」:「江古田文学」62号(7月31日 江古田文学会
○「〈書評〉作家をキリスト月のとして把握──はたして愛と信仰だけで成立しているのか── セルゲイ・フーデリ著、糸川紘一訳『ドストエフスキーの遺産』」:「週間読書人」No.2656(9月29日 読書人)
◎『童話集「注文の多い料理店」を読む』 (12月10日 Д文学研究会)A5判・上製六九一頁 限定五十部・私家版 非売品
 ※「『注文の多い料理店』を読む」(「「紙くづ顔」の紳士とルージン」「紙くづ顔と虚無とジャーナリズム」)所収。
◎『萩原朔太郎ドストエフスキー体験』 (12月10日 Д文学研究会)A5判・並製三九八頁 限定五十部・私家版 非売品
 ※「萩原朔太郎とドストエフスキ──ー朔太郎が読んだドストエフスキーの本(テキスト)」「書簡に見る萩原朔太郎ドストエフスキー」「わがドストエフスキー体験を語る──埴谷雄高の「ドストエフスキーの摂取」を読みながら──」を収録。

  ●サッダーム・フセインの死刑執行(12月30日)

二〇〇七年(平成19年)58歳

◎『清水正宮沢賢治論全集』第一巻「童話集『注文の多い料理店』を読む」(1月30日 D文学研究会)A5判・上製六八七頁 定価三五〇〇円
 ※Д文学研究会版『童話集「注文の多い料理店」を読む』の新装版。
◎『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻「萩原朔太郎ドストエフスキー体験」 (3月20日 D文学研究会)A5判・上製三九三頁 定価三五〇〇円
 ※Д文学研究会版『萩原朔太郎ドストエフスキー体験』の新装版。
 ※「栞」原稿
 下原敏彦……『清水正ドストエフスキー論全集』と私
 横尾和博……清水正との出会い
 小菅未奈……『ウラ読みドストエフスキー』を読んで
 清水正……『ドストエフスキー論全集』刊行に際して
◎『ケンジ・コードの神秘』 (6月14日 清流出版)四六判・並製二五九頁 定価一八〇〇円
 ※「序章 なぜ、今、宮沢賢治なのか?」(「『銀河鉄道の夜』と『カラマーゾフの兄弟』──テキスト深層に隠されたドラマ──」)所収。
○「座談会 団塊世代が読むドストエフスキー清水正・下原敏彦・下原康子・横尾和博)」:「江古田文学」66号(11月30日 江古田文学会
○「対談 現在進行形のドストエフスキー清水正山崎行太郎)」:「江古田文学」66号(11月30日 江古田文学会

二〇〇八年(平成20年)59歳

○「〈対談〉現在進行形のドストエフスキー(続)」:「ドストエフスキー曼荼羅」(1月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む」:「ドストエフスキー曼荼羅」(1月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)
○「手塚治虫版『罪と罰』の最終場面を読む」:「ドストエフスキー曼荼羅」(1月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)
◎『ドストエフスキー曼陀羅・別冊 鼎談ドストエフスキー (1月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)A5判・並製九九頁 非売品
 ※「鼎談 ドストエフスキーのり現在(江川卓・小沼文彦・清水正)」(「江古田文学」12号:一九八七年5月の再録)「ロシア文学者・小沼文彦氏との三十年」(「Д文学通信」No.554:一九九八年12月16日の再録)「幻の雑誌「露西亞文學研究」(「Д文学通信」No.561号:一九九八年12月25日の再録)所収。
米川正夫訳『青年』をめぐって」
○「学生と読むドストエフスキーの『罪と罰』」:「ドストエフスキー曼陀羅」(1月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載1):「Д文学通信」No.1154(4月1日 Д文学研究会)
 ※「手塚治虫は天才なのか」「なぜ『罪と罰』を子ども向けに漫画化する必要があるのか?!」「なぜ英語表記「CRIME AND PUNISHMENT」なのか?!」「手塚治虫が読んだ『罪と罰』のテキストと月報」「手塚治虫版が描いたドストエフスキー肖像画」「ロシア語表記のタイトル」所収。
○「〈講演〉『涙と笑いの名作劇場』第一回 ドストエフスキ──ー人間の心の中は神と悪魔の戦場だ」(4月4日 北千住・読売日本テレビ文化センター)
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載2):「Д文学通信」No.1155(4月5日 Д文学研究会)
 ※「手塚治虫版『罪と罰』世界への参入」(「鳥の眼で描かれたペテルブルク」「猫の眼でとらえられたペテルブルク」「『罪と罰』の主人公」「ラスコルニコフの帽子と服装」「老婆宅までの道程」「漫画の描き方──〈省略〉〈誇張〉〈変化〉」「原作と漫画の老婆アリョーナ」「主人公の部屋」「主人公の理論」「斧──犯行の道具」「手が四本指の主人公たち」「老婆宅に到る階段と踊り場」「二人のペンキ職人」「斧を持った〈少年〉ラスコルニコフ」)所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載3):「Д文学通信」No.1156(4月10日 Д文学研究会)
 ※「老婆宅を訪れる原作ラスコーリニコフ」「ペンキ職人の仕事場」「原作ラスコーリニコフの犯行現場」「省略されたラスコーリニコフの二つの犯行」「犯行後のラスコルニコフの逃亡」「冤罪で逮捕されるニコライ」「原作ラスコーリニコフの犯行後の逃亡」「手塚治虫の〈省略〉の横暴」「原作『罪と罰』における時計時間」「国家権力と一庶民」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載4):「Д文学通信」No.1157(4月15日 Д文学研究会)
 ※「原作におけるミコライ逮捕劇」「酔漢マルメラードフの登場」「ポルフィーリイ判事の登場──〈犯罪に関する論文〉をめぐって──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載5):「Д文学通信」No.1158(4月17日 Д文学研究会)
 ※「屋根裏部屋に戻ったラスコルニコフ」「母親の手紙──原作と漫画の決定的な違い──」「犯行の翌日──漫画と原作の相違点──」「突然の訪問者」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載6):「Д文学通信」No.1159(4月20日 Д文学研究会)
 ※「原作に秘められた男と女の性的関係」「ラスコルニコフとポルフィーリイの対決場面」「手塚治虫が〈省略〉した信仰の問題──原作ラスコーリニコフポルフィーリイの対決──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載7):「Д文学通信」No.1160(4月22日 Д文学研究会)
 ※「手塚治虫が〈省略〉した信仰の問題(続き)──原作ラスコーリニコフポルフィーリイの対決」「原作ラズミーヒンの鋭い指摘」「ラスコーリニコフの〈無罪〉を信ずるラズミーヒン」「漫画版〈手紙〉の改ざん」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載8):「Д文学通信」No.1161(4月25日 Д文学研究会)
※「ラスコーリニコフとザメートフの対決──原作と漫画を照合しながら──」「「人間は卑劣な存在だ」──しかし、もしそうでないとすれば──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載9):「Д文学通信」No.1162(4月30日 Д文学研究会)
※「ラスコルニコフとマルメラードフの出会い」「やせ馬殺しとマルメラードフの死」「原作ラスコーリニコフの見た恐ろしい夢」「マルメラードフの臨終──マルメラードフ一家が抱え込んでいた闇──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載10):「Д文学通信」No.1164(5月15日 Д文学研究会)
 ※「原作カチェリーナの肖像」「ソーニャの〈踏み越え〉に隠されたドラマ」「ソーニャ登場の場面」「『罪と罰』最大のテーマ──〈復活〉という〈踏み越え〉」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載11):「Д文学通信」No.1165(5月17日 Д文学研究会)
※漫画ラスコルニコフとルージンの出会い──打算で成立した婚約と、その破綻のドラマ──」「ルージンの悪イメージの源泉──プリヘーリヤの手紙の特質性──」「神を信ずるテロリスト」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載12):「Д文学通信」No.1166(5月20日 Д文学研究会)
※「原作ラスコーリニコフとルージンの出会い」「ルージンという存在──〈損得勘定〉と〈魂〉──」「ラスコーリニコフとルージンの対話」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載13):「Д文学通信」No.1167(5月22日 Д文学研究会)
※「ルージンの肖像」「原作に見るルージンとラスコーリニコフの決裂場面」「三年ぶりの再会──母と息子の間に潜む深淵──」「ルージンからの手紙」「想像力の欠如」「リザヴェータ殺しの神秘」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載14):「Д文学通信」No.1168(5月23日 Д文学研究会)
※「ソーニャの登場」「ルージンとの対決」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載15):「Д文学通信」No.1169(5月25日 Д文学研究会)
※「ルージンの卑劣」「ハチャメチャな通夜の場面──グロテスクなカーニバル空間──」「ルージンの仕掛けた冤罪事件」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載16):「Д文学通信」No.1170(5月27日 Д文学研究会)
※「バフチンのカーニバル理論をめぐって」「カチェリーナの特異な性格」「『罪と罰』の読み直し」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載17):「Д文学通信」No.1171(5月29日 Д文学研究会)
※「カチェリーナとリッペヴェフゼリ婦人の激しい口喧嘩──手塚治虫ニヒリズム──」「スキャンダラスな冤罪事件をめぐって──卑劣漢はルージンだけなのか──」「『罪と罰』の少女漫画的な設定──ドストエフスキー文学における大いなる母性の欠如──」「スヴィドリガイロフを省略した手塚治虫」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載18):「Д文学通信」No.1172(5月30日 Д文学研究会)
※「手塚版法事後のラスコルニコフとソーニャ」「原作ソーニャの部屋とラスコーリニコフの眼差し」「『罪と罰』のテーマ」「娼婦ソーニャの実態」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載19):「Д文学通信」No.1173(6月5日 Д文学研究会)
※「ソーニャとカチェリーナの微妙な関係」「ソーニャの追い詰められた現実」「人類のすべての苦悩の前にひざまずくづく〈悪魔〉」666」「〈罪の女〉ソーニャの〈三つの道〉」「〈ユロージヴァヤ〉ソーニャ」「ソーニャの部屋にあったロシア語訳新訳聖書」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載201):「Д文学通信」No.1174(6月7日 Д文学研究会)
※「「ラザロの復活」はどこ?」「〈ラザロの復活〉を朗読するソーニャ──ソーニャの信仰告白──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載21):「Д文学通信」No.1175(6月10日 Д文学研究会)
※「ラザロの〈復活〉をめぐって」「〈ラザロの復活〉の朗読後──呪われた者同士の行く末──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載22):「Д文学通信」No.1176(6月12日 Д文学研究会)
※「立ち聞きしていたスヴィドリガイロフ」「手塚漫画における〈省略の功罪」「手塚版ラスコルニコフとポルフィーリイの対決場面」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載23):「Д文学通信」No.1177(6月15日 Д文学研究会)
※「原作に見るラスコーリニコフポルフィーリイの対決場面」「原作に見るポルフィーリイの饒舌」「手塚治虫の〈省略〉」「ポルフィーリイの言葉の性格」「ポルフィーリイとわたし」「〈紙巻煙草〉と〈パイプ〉」「ポルフィーリイは〈おかま〉か?!」「ポルフィーリイのニコライ分析」「事件の核心に迫るポルフィーリイ」「ポルフィーリイの謎のような言葉」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載24):「Д文学通信」No.1178(6月18日 Д文学研究会)
※「ラスコーリニコフにおける〈魔の偶然〉──リザヴェータ殺しの象徴的意味──」「ラスコーリニコフがしなければならない〈偉大な事〉」「神は殺人者に〈生〉(жизньを用意した」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載25):「Д文学通信」No.1179(6月20日 Д文学研究会)
※「〈太陽〉(ロジオン)による〈太陽〉(リザヴェータ)殺しの秘儀」「二つの尻尾を振ってみせる〈誠実な人間〉」「ラスコーリニコフの〈言明〉──〈告白〉(испаведание)ではなく〈言明〉(объявление)──」「ソーニャが直観する相手の〈苦しみ〉──〈直観〉と〈解釈〉の問題──」「ラスコーリニコフの〈言明〉の場面──〈だれ〉がリザヴェータを殺したのか──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載26):「Д文学通信」No.1180(6月22日 Д文学研究会)
※「〈肉体〉を封印されたソーニャ」「〈ぼく〉と〈その男〉の分身関係──〈偶然の魔〉の唆しに乗った〈その男〉──」「〈殺人〉と〈告白〉の瞬間──ラスコーリニコフの苦悩を抱きとめるソーニャ──」「真の革命家ならソーニャを殺さなければならない──中途半端な青年ラスコーリニコフ──」「ソーニャは〈不幸な男〉に〈人殺しの声〉を聞く」「〈殺人〉の説明──犯行の〈謎〉を解こうとして〈おしゃべり〉に終始する──」「ラスコーリニコフの〈踏み越え〉(殺人)の第一原因は母プリヘーリヤにある」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載27):「Д文学通信」No.1179(6月25日 Д文学研究会)
※「忘却しがちなリザヴェータ殺し──老婆アリョーナは〈しらみ〉なのか、そうでないのか──」「〈出まかせ〉と〈原因探し〉」「犯罪と環境問題」「神によって悪魔に渡された〈神の冒涜者〉」「「ぼくはただ殺したんだ──〈おしゃべり〉から〈踏み越え〉へと──」「〈悪魔〉に唆された犯罪者が、ソーニャに指示を仰ぐ」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載28):「Д文学通信」No.1182(6月27日 Д文学研究会)
※「闘い続けようとすラスコーリニコフ」「〈嵐〉(буря)の後の二人──〈不幸な男〉と〈不幸な女〉のつながり──」「一緒に十字架を背負う」「ラスコーリニコフの大地への接吻──ラスコーリニコフにおいては、或る決定的なできごとは突然襲ってくる──」「〈ひとつの幻〉(Одио видение)をめぐって──二人の謎の人物(スヴィドリガイロフとポルフィーリイ)との関連において──」所収。
○「手塚治虫版『罪と罰』を読む(連載29):「Д文学通信」No.1183(6月28日 Д文学研究会)
※「罪意識のない犯罪者の〈心底からの悔悟〉と〈復活の曙光〉」「〈突然〉現れた〈ソーニャ」──「ふたりを復活させたのは愛だった」──」「〈思弁〉の代わりに〈生活〉が到来したと語られる〈いまの彼〉──〈新しい物語〉はついに書かれなかった──」「ラスコーリニコフの頭をかすめた〈ただ一つの考え〉──ソーニャの信念を自分の信念とする──」「変換可能な〈思弁〉と〈生活〉──五カペイカ並の分別や知性の大切さ──」「ラスコーリニコフに突然襲いかかる〈或る何ものか〉──」所収。
◎『清水正ドストエフスキー論全集』第二巻「停止した分裂者の覚書」 (5月30日 D文学研究会)A5判・上製三七五頁 定価三五〇〇円
 ※「停止した分裂者の覚書」「テキストの解読と再構築──志ん生落語『もう半分』とマルメラードフの「告白」をめぐって」「『ドストエフスキー体験』を書いていた頃」「執筆と校正の苦楽──『清水正ドストエフスキー論全集』第二巻を刊行するにあたって──」所収。
 ※「栞」原稿
 横尾和博……強烈な武器、「ドストエフスキー体験」
 此経啓助……「全集」とアイディンティティ
 下原康子……清水正のカリスマ
 塩原淳一郎……清水正カラマーゾフだ!
 浅沼璞……ドストエフスキー西鶴──清水正のコンテクストにそって──
 清水正……爆発で誕生する清水批評
◎『停止した分裂者の覚書──ドストエフスキー体験──』 (7月10日 Д文学研究会)A5判・並製三七五頁 限定五十部 非売品
 ※『清水正ドストエフスキー論全集』第二巻の私家版・限定五十部。
◎『清水正ドストエフスキー論全集』第三巻「ドストエフスキー罪と罰』の世界」 (9月20日 D文学研究会)A5判・上製535頁 定価三五〇〇円
 ※創林社版・鳥影社版『ドストエフスキー罪と罰」の世界』の新装版。
 ※「栞」原稿
 横尾和博……脇役もまた人間である
 山下聖美……私の師匠
 此経啓助……「あちら側」のドストエフスキー
 牛田あや美……越境する清水正、あるいは普遍的なる清水正
 山崎行太郎……ドストエフスキー的なるものの現象学
 清水正……『ドストエフスキー罪と罰」の世界』全集版刊行に寄せて
◎『ドストエフスキー罪と罰」の世界』 (10月10日 Д文学研究会)A5判・並製五二八頁 限定五十部・非売品
 ※『清水正ドストエフスキー論全集』第三巻の新装・私家版。 
○「工藤精一郎訳『罪と罰』(新潮文庫)の二つの問題場面」:「ドストエフスキー曼陀羅」2号(11月20日 日本大学芸術学部文芸学科「雑誌研究」編集室)