小林リズムの紙のむだづかい(連載331)

小林リズムの紙のむだづかい(連載331)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい

【笑うしかなかったんだよね】


 


新卒した会社の同期だった友達と、「この1年はあっという間だったけど、いろいろ凝縮されてて意味わかんないね」って話していた。有楽町を歩いていたら、お茶漬け屋さんの近くを通ったのだ。そこは、会社を辞めた直後に同期三人で集まった、ある意味思い出の場所だった。

「ふつうさ、そんなに早く会社辞めることになったら、すごく落ち込んでるはずなのに、なんかあのときも笑ってたよね」
と私が言うと、彼女は、
「そうだったねぇ。でもさ、笑うしかなかったんだよね」
と言ったので、ひゅるるーっと当時の記憶が蘇ってきた。

そうだった。たしかにあれは、笑うしかなかった。あまりにも唐突で、呆然として、落ち込む余裕もなかった。眠りは浅かったし、先は見えないしで、いつも緊迫した気持ちだった。けど、そんな自分をいたわる余裕もないくらいに、目の前にある“今日”しか見えなかったのだ。

「それまで大学生で、差し出された未来があの会社で、でもその未来が突然なくなって。まだ大学の延長みたいな気持ちもあったのかもしれないね。だから笑えたのかも」
「そうだね、もう“なんとかなる”って思わないと、やってられなかったからねぇ」

あの日、お茶漬け屋をあとにしたあと、三人で飲みに行き、私たちは知らない人に無職ですとアピールしていた。ネタにして驚かれて笑い飛ばすことでしか、自分の気持ちを表現できなかった。無職を隠せば隠すほど、傷は悪化するような気がした。世間一般の人が見る無職の肩身の狭さを早く味わって、免疫をつけたかった。現実を受け入れられない人が、現実を受け入れるためにする手段だったのかもしれない。





 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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