星エリナのほろよいハイボール(連載59)

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星エリナのほろよいハイボール(連載59)


砂糖をたっぷり使う
星エリナ

 
 先日はバレンタインデーでしたね。みなさんは好きな人やパートナーにチョコレートをあげることができたのかな。高校生のとき、学校へ行く途中にある公園で、女の子が男の子に包みをあげているところを目撃したことがある。女の子も男の子も照れていて、なんだか、幸せそうだった。幸せに、なれたのかな。
 私もちゃーんとお菓子をつくった。今年はキャラメルケーキをつくってみた。キャラメルソースから手作り。でもこれが結構簡単だった。砂糖と大さじ一杯の水を火にかけて、茶色くあわ立ってきたら火からおろす。そして生クリームを少しずつ足して混ぜる。それだけ。結構焦がすと苦めになるけれどそれもまた美味しい。キャラメルソース入りのパウンドケーキにあわ立てたふわっふわの生クリームを上にのせ、その上に残ったキャラメルソースとくるみやナッツ類を飾ってできあがり。
 見た目が、ものすごく、おいしそう。実際すごくうまくいった。ケーキはとてもしっとりで美味しい。飾り用のくるみはたまたま家に塩くるみしかなかったのでそれを使ったのだけど、キャラメルソースとの相性ばっちり。温かいカフェオレとキャラメルケーキを食べている瞬間が幸せ。
 だけど、改めてレシピを見てみると、すごい砂糖の量。キャラメルソースにも砂糖。パウンドケーキにも砂糖。レシピには生クリームにも砂糖、と書いてあったけどさすがにくどいのではないかと思って私は抜いた。じゅうぶん、甘かった。こんなに砂糖を摂取して、私また太るんじゃなかろうか。
 ちなみにこのケーキは家族以外の人にあげていません。バレンタインなんてロマンチックなイベント、私には関係なかった。誰にもあげていないのか、といわれるとまた違う。アルバイト先のみんな用にちゃーんとクッキーを焼いておいた。バターたっぷりのクッキーにチョコレートをコーティングしてケーキのときのあまりのナッツなどを飾った。こちらも結構好評だったけれど、特にロマンチックなイベントは起きなかった。
 バレンタインでロマンチックだったことは、たぶん高校三年生のときの一回だけ。当時私はストリートミュージシャンにはまり、私の好きなバンドのみなさんにミニカップケーキを焼いた。それを渡す前に学校で、友だちに味見をしてもらっていた。「おいしいよ」と友だちは言ってくれて、渡すのが楽しみになっていた。そんなとき、私が片想いをしていたきーくんとその友だちがきて、「何それちょーだい」と言われた。味見用のあまりだったので、まぁいっか、と思いあげる。
「え、これ手作り? うまいよ!」
 きーくんは嬉しそうに言ってくれて、私は偶然だったけど、好きな相手に手作りのお菓子をあげることができたのだった。
 ちなみにきーくんについては、清水ゼミ雑誌「+1 Plus one」に掲載されているエッセイにさらに詳しく書いてあるので、良かったらゼミ雑誌をお手にどうぞ。
 いつかもっとロマンチックなバレンタインデーがありますように。
   

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