小林リズムの紙のむだづかい(連載319)

小林リズムの紙のむだづかい(連載319)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


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四六判並製160頁 定価1200円+税

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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載319)
小林リズム
 【恋ときどき憧れ】

   
「また見てる!先輩のこと、好きなんでしょう?」
「え…!そんな……!先輩は、ただの憧れっていうか…」
「またまたぁ!あんたならイケるって!頑張りなよ〜!」

…というようなやりとりって中学生くらいまでに通用するのでしょうか。遠くから眺めて憧れていた先輩と、ある日廊下で激突!(もしくは階段から転がり落ちたときに階下に先輩がいてキャッチ!)、なぜかそこから偶然が重なり急激に親しくなって、憧れだった先輩との恋物語がはじまる…。というベタな少女漫画を読みながら、思春期の頃の私は憧れの先輩を妄想していた。委員会は一緒、でもしゃべったことはない。プリントを回すときに強く意識するだけ。たまに目が合うとそれだけで脳内リプレイしてしまうようなカワイイ憧れだった。

 恋と憧れはどう違うのかというと、感じる距離の違いだと思う。芸能人のような、とてもとても手に届かない別世界の人間を挙げればわかりやすい。話すことも触れ合うこともほぼなく、むしろ相手が自分のことを認知しているのかすら危うい。そんな状態を本人がきちんと理解していたら、それは恋ではなくて憧れになる。生身の人間として抱いている気持ちでないがゆえに、憧れは尊く清く純粋なのである。

 もしその先輩が自分の連絡先を聞いてきたら「憧れの先輩が、私のアドレスを…!」などと狂喜乱舞するかもしれないけれど、三分の一くらいの割合で「ああ、先輩も人間なんだな…」とシュールな気持ちになってしまいそうだ。自分と触れ合う先輩には生身感がある。生身感とは何かというと、アドレスを知りたいという欲望だとか、自分の前だけにみせる表情だとか、そういうある種のリアリティーだ。自覚的で自意識的なもの。そしてそのリアリティーが濃くなって手が届くものだとわかった瞬間に、恋になって苦しくなる。あきらかに一線を画するものではなくて、手が届きそうで届かない、けど、届くかもしれない…というもどかしさが人を貪欲にするし、恋をさせるのだ。

 だってやっぱりモテる子は「やっばい美人!」とかではなくて、「この子いいな…」と思わせる愛嬌のある子が多いし、高嶺の花も憧れられるだけでそんなにモテない。多くの男性に魅力をふりまくけれど、その男性には彼女がいることだってあるのだ。それでも多くの人からチヤホヤされたい!って思う心理ってなんなんだろう。愛情がほしいんじゃなくて、承認欲求のような自分を認めてくれる絶大なる事実がほしいのかもしれない。


 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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