小林リズムの紙のむだづかい(連載313)

小林リズムの紙のむだづかい(連載313)
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小林リズムの紙のむだづかい(連載313)
小林リズム
 【しょっちゅう離脱する】

   

 上京してから、寝ているときによく幽体離脱をするようになった。

 とはいっても「これ、ほんとに幽体離脱っていうヤツなのかな…?」というくらいにレベルのショボさで、人と比べたりできないから「わたし、幽体離脱しちゃうの!それが悩みなの!」とは言えない。なんといっても、ミディアムレア的幽体離脱なのだ。

 私が離脱するのは、うつぶせで寝ているか仰向けで寝ている場合のどちらかだ。真夜中に浅い意識のなかで、足が浮いていくのがわかる。なぜか目を開けて確認しようとは思わない。単純に「ああ、足が浮くなぁ…」と思うだけだ。
 本体の足はきちんと布団のなかにおさまっていて、でも足に感覚はない。浮いている足のほうにだけ、感覚がある。感覚といっても触っていないのだから、感覚とは違うのかもしれない。でも、とにかく足が浮いているという感覚は、間違いなく感じるのだ。

 寝ている体勢のまま、足だけがどんどん浮いていく。上半身は離脱しないから、ベッドにくっついたまま。必然的に足だけが浮いて、寝たまま足を上げて90度になっているような、座っているテディベアを寝かせたようなスタイルになっている。我ながら滑稽なポーズだと離脱中に考える。もしかしたら、ちょっとくらい腰を浮かせれば完全なる幽体離脱ができる気がする。たぶん、できる。でもしない。本当にこれが幽体離脱だとしたら、危険性を感じる。

 一度だけ、足ではなく手から離脱したことがあった。手が浮いたあとに突然上半身が軽くなって、ふわっと簡単に足首まで抜けてしまった。本体の私と接続しているのは、足首から下だけである。「やだ、死ぬかも」と思って、必死に足の裏に力を入れた。どこからか風が吹いてきて、飛ばされそうになる。けれど途中からしっかりと地上に固定されている鉄の棒みたいなものが登場した。私は離脱した手でそれに一生懸命つかまり、これ以上浮いて飛んでいかないようにと強く握りしめる。意識はそこで消えた。怖くはなかった。焦りはあった。

 こう書いていると、幽体離脱というより、単なる夢なのかもしれない。鉄の棒なんて、どこにもないもんね。風だってふかないし。だけど、一体なんのメッセージなんだろう?もし…本当にもしだけれど、あれが「死ぬ」ということなら、ちっとも怖くない気がする。身体が軽くなって浮いてしまうだけだ。本能ではそれを留めようとするけれど、その本能がなければふわふわっと簡単に飛べてしまう。死ぬときは風が強く吹いていて、その風に乗るようにしてふわーっと幽体が飛ばされるのかもしれない。痛くないし恐怖もない。風の向くまま気のままにどこへでも行ける。そうだったらいいな。
 
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