小林リズムの紙のむだづかい(連載311)

小林リズムの紙のむだづかい(連載311)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載311)
小林リズム
  【自分の人生に落とし前をつける】

   
1月☆日 ×曜日

 映画が詳しいわけではないのだけれど、大学生の頃は好きでよく邦画を観に行っていた。なかでも西川美和監督の『夢売るふたり』がとても印象的だったのを覚えている。
 簡単にまとめれば、自分たちで経営している小料理屋のお店を火事で失ってしまった子どものいない夫婦が、結婚詐欺に手を染めていく…という話。女性の監督のせいか、ものすごく女臭が強かった。物語のなかでは生理用ナプキンをぺりっとパンツに貼り付けるシーンもあるし、言葉として「子どもがほしい」という台詞は出てこないものの、女性の子どもを持たないことによる見えないコンプレックスなども感じられたりして見ていて痛かった。ふたりの間で子どものように育てていたお店がなくなったことにより、徐々に壊れていく幸せ。お店をやりなおすというふたりの夢のために人に夢を売っていたのに、次第に自分たちの「夢」を見失っていく。自然と「夢」が「お金」へとすり替わり、自分たちが何を求めているのか、何がしたかったのかがわからなくなる…。序盤に一緒に自転車に乗る幸せなふたりの様子が描かれているだけに、物語の進む方向が次第に嫉妬や欲望や執念を乱暴に投げつけてきて、目を見張らずにはいられなかった。

 印象に残っている台詞がふたつある。

 まず、妻の里子がオリンピックを目指す(そして結婚詐欺に騙されている)ひとみに何気なく放つ言葉。「私の人生には、人をひきつけるような魅力はないの。それはあの人の人生に乗っかっているだけだから。自分の足で道をつくらないと、人生は卑怯なことになるわよ」。

 もうひとつは、男に騙されまくっている風俗嬢の女の子がぽつりと放つ言葉。「こんなざまだけど、自分の足で立ってるもん。自分で自分の人生に落とし前をつけられれば、誰に褒められなくたっていいもの」。

 自分の人生を何かに背負わせることはできる。肩代わりしてもらうことも依存させてもらうことも、やろうと思えばできるのかもしれない。そうやって高みから這いつくばって生きている人を見下ろして笑うこともね。とりあえずまた観なおしてみようっと。

 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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