小林リズムの紙のむだづかい(連載301)

小林リズムの紙のむだづかい(連載301)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載301)
小林リズム
   【新たな物件への思い】

  

 1月☆日 ×曜日

 「引っ越し」と聞くと、自然と気持ちがわくわくする。たとえそれが自分のことでなかたとしても、友達が「引っ越そうと思っていて…」と話しているだけで気持ちが浮き立つ。新たな部屋、新たな環境で始まる新たな生活…。最寄り駅を変えればスーパーも、本屋さんも、カフェも、生活のすべてが新しくなる。新しいものが徐々に日常と化していく過程も好きだし、そのときの清々しい気分も想像するだけで素敵だ。私は今住んでいる場所が治安が悪いと言われても気にならないし、家賃も1階にスーパーがあるという便利な立地条件も気に入っているけれど、それでも2年契約が終わるごとに引っ越し続けたい思いはある。できるなら家賃は安いに越したことはない…。

 友達が「事務所として借りようかな〜って」と見せてきた物件は、駅から徒歩3分。1DKで内装も抜群に綺麗な部屋だった。お風呂とトイレも別。広々としているうえに敷金も礼金も不要で、しかも家賃は3万円という破格だ。…ただし気になるのは【告知物件】の文字。【告知物件】と言うと、前に住んでいた人がこの家で死んだというケースがほとんどだ。そのために内装も綺麗に変えられているし、家賃も安い。
 以前私が引っ越すときに告知物件について不動産屋さん尋ねたところ「玄関のドアノブで首を吊ってたので…」と声をひそめて言われたので断念したことがあった。家に帰るたびに玄関のドアノブを怖々と触ることになるのはやっぱりキツい。お風呂に入るときも背後が気になってしまうし、眠る前にもドアノブの音がしないかと耳を澄ませてしまいそうだ…。
「これって、事故物件ってことだよね…。前の人この家で死んだっていう…」
私が言うと、友達はケロッとした顔で
「そんなの気にしないよ〜」
と言ったので本当にびっくりした。彼女があまりにも当たり前のように普通に言うので、前住人が自殺していることを気にする自分のほうが変なのではないかと思ったくらいだ。彼女がいうことには、“ここで人が死んだんですよ”と言われても具体的にイメージが湧かないらしい。それだったらよっぽど、怖がらせようとうするお化け屋敷やホラー映画のほうが恐ろしいのだとか…。なんだかわかるような気もしてくるから不思議だ。なんといっても、1DKで駅近、3万円台なんて告知物件でもなかなかないと思う。徐々に住みたい願望が出てきた。祖母にそれを話すと「あら、いいじゃない。幽霊なんかより生きている人間のがよっぽど怖いんだから」と無邪気な顔で言われた。それは…確かに…。

 そもそも前住民が自殺した場合には告知物件を伝える義務があるそうだが、前の前の住民になった場合にはそれがなくなるらしい。だとしたら私が住んでいる場所も何代目か前に人が亡くなった可能性がないとも言えないのだ。それなのに前住人の自殺が気になってしまうというのはどんな心境なのだろう…。元カノの存在は気になるけど、それ以前だったら気にならないというのと同じ?色濃く影響が残っている気がして嫌ということ?「今が大事だから彼の過去は気にしない」と潔く言い切れる良い女(?)になるためにも、一度挑戦してみたい…と新たな物件への試みにドキドキと胸が高鳴るのだった。

 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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