小林リズムの紙のむだづかい(連載286)

小林リズムの紙のむだづかい(連載286)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載286)
小林リズム
   【乱雑一家】

  

   12月○日 ×曜日

 急遽実家へ帰ってきた。実家のダイニングテーブルには何気なく折り紙が置かれている。不思議に思って「これ、何?」と両親に聞いてみると、聞こえなかったのかスルーされた。再び聞く。「ねえ、この折り紙、どうしたの?」お父さんがしぶしぶといった感じで言う。「…お母さんが一緒に折り紙やろうっていうからさぁ…」。「…え」思わず吹き出してしまった。田舎に住むささやかな中年夫婦が一緒に折り紙をするなんて……。
「でもこの本のは簡単すぎるよ。それにこの折り紙も花柄で好きじゃない」
とふて腐れた様子で言う父に
「じゃあもっとハードな折り紙の本を図書館で借りてくるよ」
と返す母。

 翌日改めて借りてきた“大人の折り紙”の本にしたがって、家族で折り紙を折った。
「箸置きとか飲み会で受けそうじゃない?女子折り紙とか流行るかも!」
と興奮する私に「お母さんはリスにしよう…」といきなり難易度の高い動物に挑戦する母。私に巻き込まれてハートの箸置きを作ることになった父。しかし案の定、不器用なB型家族は折っている途中で面倒くさくなり放棄する。「もう、わかんない」「この本すごく説明不足だよね」「ちょっと、これ続き折ってよ」「折り紙の形が正方形じゃなかったのかも…」人や物のせいにし、中途半端に集中力が途切れるためになかなか出来上がらない。

 いつだったか、年上の女性に「日本の伝統的な文化は合理的にできているんだよ」と聞いたことがあった。余分なものをそぎ落とし、なるべくした手順で進むから、しなやかで美しいのだと言う。そして茶道の動作や手順ほどに理にかなっているものはないと。折り紙も同じかもしれない。ひとつひとつの手順を飛ばすことをせず、きちんと筋道をたててこなさなくてはならない。途中で放り出したり、適当にごまかしてしまうと完成しないのだ。

 合い間合い間にケチをつけつつ、ようやく完成した作品は紙がしわしわの状態でできたよれよれのシロモノだった。情緒不安定になることはあっても、日本の情緒とはまだ慣れ親しみが足りない。「繰り返すうちに上達するよね」とカウンターによれよれの折り紙作品を並べる。私がつくったいびつな形の箸置きは、どう頑張って設置してもすぐに横に倒れてしまうのだった。


 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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