小林リズムの紙のむだづかい(連載272)

小林リズムの紙のむだづかい(連載272)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D

ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/


四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載272)
小林リズム
  【白ワンピに憧れて】

  

  白い砂浜のビーチで、白い肌を晒しながら、ノースリーブの白いワンピ―スをさらりと着る。飛んでいきそうな麦わら帽子を片手で抑えつつ、もう片方の手では風になびく頬にかかった黒髪を軽く止める。…という美少女像に憧れて、どうか形だけでもと思い、真っ白のワンピースを求めていた時期があった。純情可憐。清廉潔白。純真無垢。そんな四文字熟語に似合う女の子になろうと、数年前まではわりと真剣に思っていたのだ。
 そうとはいっても、腕は太いからノースリーブタイプのものはやめようと思えるくらいには自分を知っていたので、とりあえず七分袖〜長袖の真っ白なワンピースを探した。素材はコットンタイプのものがよくて、デザインはシンプルであればあるほど良い。リボンもレースも「余分なものは何もいらないわ」という余裕と大人っぽさを気取る。けれど、私が理想としているワンピースはなかなか見つからなかった。白ワンピースそのものはあらゆるお店に置かれていたのだけれど、どれも極度に短い丈や、透けてしまう裏地のついていないものが多く、清純な女の子には見えないのだ。

 夏中探しまわり、そろそろバーゲンも終焉に向かい秋モードに向かうというときに、それはあった。どこまでもシンプルな白ワンピ。胸元にほんの少し飾りがついているだけで、あとはすとーんとまっすぐに伸びただけのライン。風を含んだらふんわりとなびきそうなコットン素材。「これだ!」と思い片手でつかんで、試着室へ向かった。これで、わたしもついに砂浜に、にっこりと微笑んで佇む儚げな美少女に…!と鼻息荒くワンピースに袖を通した。

 ……え……?…イメージと違う…。

 鏡を見た途端に、頭のなかでそんなテロップが浮かんだ。背景は真っ黒で、白抜きの文字が流れる。あとは無音。

 とりあえず言えることは、儚げで繊細な砂浜の君…ではなく、どこかの新興宗教の教祖みたいだった。真っ白でシンプルなワンピースというよりは、如何わしい宗教に入会した信者。一度そう見えてしまうと自分のなかでのイメージも加速していき、せっかく染め直した黒髪も、「神があたえたもうたものに手を出すのは云々」というような信念からナチュラル志向に突っ走ったようにしか思えず、裾が長めのスカートも信者が正座をして祈るときの心構えのように感じた。以来、わたしは黒ワンピースを選んで何着か買い、よく着るようになった。地黒で腹黒いわたしには、やっぱりこっちの色のほうが似合う気がする。

    
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。