小林リズムの紙のむだづかい(連載263)

小林リズムの紙のむだづかい(連載263)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載263)
小林リズム
 【イタ飯のカップル】

  

  
  「信じられる?イタリアンに連れてくって言って、連れていかれた場所がサイゼリア!ありえない」
鼻息を荒くして先輩がそう話すから、わたしは笑ってしまった。そういえばネットでもこの手の話を見かけたことがある。イタリアンと言いつつ、サイゼリアとかジョナさんとか、いわゆるファミリーレストランに連れて行ってもらうんだって。最近多いのかしら…。確かにファミレスを“イタ飯”などと言ってしまうのは、ちょっと痛飯(ドヤ顔)だけれども…。
「文句言ったら“ワインでも頼めばいいじゃん”って偉そうに言うの。サイゼリアのワインってやっすいんだよ」
そう言っている先輩の携帯には、趣味の悪い変なキャラクターのストラップがついている。一度、珍しいストラップですねぇ、と突っ込むと、「これ、彼からもらったんだけど、キモいよね」と言っていた。以来、わたしは陰ながらこのカップルを応援しているファンなのだ。
「ファミレスのワイングラスってプラスチックでできてるって知ってる?それを匂いかいで飲んでて、もう恥ずかしくて…」
…確かにそれは恥ずかしい。ファミレスでプラスチックに入ったワインを片手に、気取って香りを楽しんでいる光景なんて…。想像するだけでも面白くて恥ずかしくてわなわなする。もし隣のテーブルに座っていたら、間違いなく凝視してしまうと思う。ついでに、ちょっと馬鹿にしてしまいそう…。「でも先輩、彼氏さんのこと好きなんですよね」と確認すると、「別にそんな感じじゃないよ」と言う。何言っているんだ、まったく。さっきからヴーヴーとしきりに音が鳴っているスマホの画面に表示されている着信は、彼氏さんの名前だ。つい意地悪をしたくなって
「別れちゃえばいいじゃないですか〜」
と軽いノリで言うと、「今は他の人いないから、とりあえずこれでいいの」とそっけない。素直じゃない先輩と、その先輩と付き合う若干痛い彼氏さん。うーん、パーフェクト。こういうときに、恋っていいなと思う。愛ってこういうことなのか、とも思う。綺麗な夜景の見えるホテルの高級イタリアンで、シャンパンのなかに指輪…とは大違いだけれど、ずっと見守っていたくなる。

 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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