小林リズムの紙のむだづかい(連載248)

小林リズムの紙のむだづかい(連載248)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
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小林リズムの紙のむだづかい(連載248)
小林リズム
 【ネバー?ギブアップ】

 

  

 この22年間、あまりにも自分のために生き過ぎて、すっかり自分に飽きてしまった。特に社会人になって挫いて、「胸なし〜職なし〜お金なし〜」などとひとりで勝手に騒ぎ出してからは尚更、ビバ自分モード全開な方向にうんざりもしてきて…と言いつつもやっぱりこれまで自分本位に生きてきたわけだから、いまさら引くに引けなくて困っている。このもやもやした感情を端的に例えるとしたら「文鳥を飼いたい」という心境に似ている。小さな命を授かって、全力で愛情を注ぎたい。
 もし本当に文鳥を飼ったら責任も生じるし、鳴いたりエサをあげたり具合が悪くなったら病院に連れて行ったりと、心配事や面倒事も山盛りにあって、当たり前だけれどギブ&テイクな関係は望めない。(いや、そもそも相手文鳥だし)。今はそういう厄介なものがほしい。何かをしてあげたい、何かに振り回されたい、何かに巻き込まれたい、見返りなんて考えない。これまで一番嫌がって逃げてきたものを、とてつもなく欲している。

 恋愛の法則では「自分が相手に与えたぶんだけ、相手のことを好きになる」という、なんだか納得できないような心理傾向があるらしい。与えたぶんだけ返ってくるのではなくて、与えたぶんだけさらに相手にのめり込んでしまうなんて、不毛だ。
 たとえば、この間「高校のときに付き合った彼女が電車で痴漢にあって、そいつを見つけて捕まえて足をナイフで刺して捕まったことがある」と堂々と話していたオジサンがいてびっくりしたのだけど、わたしはそのせいで高校を中退することになった彼のことよりも、彼女のほうに同情した。そこまでされたら、もう逃げるに逃げられない。「僕は自分の人生を投げ打って君にこんなにしてあげたんだよ」という気持ちが重くて動けなくなる。こんなふうに思うのって薄情なのだろうか。彼は自分が負うことになった罪の重さのぶんだけ彼女への想いが募り、それとは反比例して彼女の彼に対する気持ちは下がっていき、結局うまくいかなくなって別れたらしい。相手に何かをしてもらったのと同じ重さで相手のことを好きになるわけではないという絶望。でもきっとそれが恋愛の醍醐味なんだと思う。

 「わたしから連絡したから、今度は彼の番!」とか「そっちから誘ってきたから場所は指定してね」なんていうのが恋の駆け引きと呼ばれるものなのかもしれないけど、そうやって細かく清算していく関係性に深い繋がりは生まれない。感情が混ざっていないから簡素で浅い。正論や理屈だけでは恋愛はできなくて、きっと恋愛は最初から最後までギブ&ギブなのだ。だから頭だけで考え込まずに自分の本能に従って動くのが純粋な恋愛の仕方なのかもしれない。よくわからないけど、そう思ったらすーっと心が軽くなった。

  
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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