小林リズムの紙のむだづかい(連載246)

小林リズムの紙のむだづかい(連載246)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。

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ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/


四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載246)
小林リズム
 【底をあげるのは隠蔽でも詐欺でもないって】



  「ねえねえ、ミシュランって何がすごいの?」
と友達が聞いてきたので、返答に詰まってその場で検索をかけてみた。ウィキペディアによると、テレビで「ミシュラン三ツ星のお店がオープン!」なんて騒がれているあのミシュランは、フランスのミシュラン社が出版しているレストランガイドブックのことで、年間100万部も販売されているとか。すごいねぇ、とわたしが言うと、友達は納得いかない様子で
「つまりミシュランを制作している人が世界各地のレストランをまわって評価してるってこと?」
と変化球の質問をぶつけてくるのでまた返事に困った。
「うーん、お店を評価するくらいだから、舌が肥えてるプロなんじゃないの?知らないけど」
「それって、フランス人?」
「え…わかんない。たぶん、そうなんじゃない?」
「なーんかねぇ。それって日本にとって不利じゃん」
「いや、そこは天下のミシュランだから平等にしているはずだよ」
などとぐだぐだとミシュランについて話し続けていたのだけど、確かに変だ。これまで『ミシュラン=すごい!』と単純に受け取っていたけれど、そもそもミシュランに掲載するお店のレストランを評価する謎の人物の国籍もわからないし、どのような経緯で選ばれたのかとか、どんな食の傾向が好みなのかも知らない。
 食べログのクチコミがやらせだと叩かれていたことがあったけれど、ミシュランだってそんなに信憑性ないよね。ネットで評価が高かったところを適当に見繕って取材をすることに決めたり、むしろお店に足も運ばずにネットに寄せられたコメントと写真で決めている可能性だってないとは言い切れない。今はうまい具合に「謎の舌の肥えた食のプロ!(フランス人)」というミステリアスな方向に見せているから成り立っているけれど、案外表沙汰になったら、「なんだ、単なる素人じゃん」とか、なっちゃったりして。

 こんなことを書いてミシュランをいじりたいわけではなくて、なんかそういうブランド力とか、プロデュース力ってすごいなぁと思ったのだった。見せ方によって光るものってたくさんあって、たとえばイカの塩辛なんかも本当はすごくマズイものなのかもしれないけれど、あるとき偉い人がやってきて「これはご飯のお供にぴったりの革命的なウマさだ!」とか言い出して、メジャーなものになったのかもしれない。受け取る人がそのまま受け取ればそれはウソではなくなって、少なくとも一定の人のなかでは“本当のもの”になるのだと思ったら、なんだか興奮してきた。だったらやっぱりわたしは自分のことをカワイイ!と思い込むこととか、可能性アル!と勘違いすることって大事だと思う。自信満々に振る舞ううちに「うん?…確かに言われてみれば…ちょっとカワイイ…かも」「この人が言うなら…才能アル…のかな?」などと幻覚を抱いてもらえるかもしれないし、それが続けばホンモノになる。特に、明確な答えがない美的センスとか味とか香りとか、感覚的なもの。そこに訴えかければ「ミシュラン=すごい!」の法則にのっとって、自分も底上げできそう。
 
   

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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