小林リズムの紙のむだづかい(連載237)
小林リズムの紙のむだづかい(連載237)
清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演などを引き受けます。
D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正・ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/
小林リズムの紙のむだづかい(連載237)
小林リズム
【ノークレームノーリターンでお願いします不良品人間】
最初に言っておきます。わたしはダメな女です。最低な女です。…え?知ってた?それじゃあ心置きなく告白します。でもこれ、ゆとり世代が原因じゃなくてあくまで個人的な性格の問題だからね。
アルバイトをしていたとき、猛烈に仕事に行きたくない日があった。何か予定ができたとか、ただ行きたくなかったとか、理由は忘れたのだけれどわたしは休むことにした。でももちろん、そんな簡単に休めるものではない。だから友達に頼んだのだ。
「ねえ、お願い。明日の昼頃に×××に電話してくれない?それで親戚を名乗ってくれる?」
×××というのはアルバイト先の電話番号である。休むのは無理だと思ったので、早退しようと考えたのだ。頼んだ子は悪友で、彼女といっしょに数々の悪いことをしてきた。その子はわたしの話を聞くやいなやすぐに快諾してくれた。
翌日の昼のバイト中、約束の12時をちょっと過ぎた時間に電話が鳴った。わたしはあえて電話から離れた位置にいたので、先輩が受話器を取った。そしてふたことくらい何か言葉を発したあと、深刻そうな顔でわたしに電話を渡してきた。
「リズム、なんか親戚の…オバサンっぽい人から電話がかかってきて…」
「えっ…?本当ですか…?」わたしは白々しく言い、笑いをこらえて険しそうな表情をつくって受話器を受け取った。
私「はい、もしもし…」
友「あ、もしもしリズム?ちゃんと電話したよ」
私「(小声)ありがとう、マジ感謝してる!(普通の声)えっ、信じられない…今から…?わかった、行く…。(小声)またこのあと連絡するね!」
ガチャッと電話を切ったあと、会社の先輩に、「なんか、危篤の親戚がいて…」と嘘をついた。会社にまで電話をかけてきたのだからとすっかり信じた先輩は「いいよ早く行っておいで」とわたしを送り出してくれた。先輩は少しチャラチャラした男性で、わたしが悪友の写真を見せたとき「わ、かわいい!紹介して!」と頼んできた人だった。まさか電話をかけてきて話した相手がその子だとは思っていないだろう。
私「なんか先輩、親戚のオバサンて言ってたんだけど…」
友「え!親戚としか名乗ってないのに、あたしオバサンって言われたの…?」
私「オバサンっぽい声でしゃべったんじゃない?この間写真見せたら紹介してほしいって言ってたよ」
友「うわーないわー」
本当に「うわーないわー」なのはわたしなのだけどね。大人はきっと眉をひそめるし罵るし呆れると思う。嘘をついてズルしてさぼるなんて、セキニンとかジカクに欠けているし、ハズカシイことだと言われるのもわかる。でも、盗んだバイクで走り出すくらいにドキドキしたし笑えたのだ。誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に自由になれた気がした、のだ。問題は、15歳じゃなくて22歳だってこと。
小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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