小林リズムの紙のむだづかい(連載235)

小林リズムの紙のむだづかい(連載235)
清水正への原稿・講演依頼は 　qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp　宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演などを引き受けます。

Ｄ文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp)　で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正・ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。Ｄ文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価（送料無料）でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。
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四六判並製160頁　定価1200円＋税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は 　qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp　宛にお送りください。

小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/

小林リズムの紙のむだづかい(連載235)
小林リズム
　【銀座とメモと性悪女】


　　「鞄の底になんかついてるよ」
と言われたので確認すると、紙が貼り付いていた。折りたたまれてセロテープで固定されている。なにこれー、と開いてみるとシミのついたプリント用紙みたいなよれよれの紙に、くせのある字でメモが残されていた。
『すみません！銀座でお見かけして気になったので良かったらメール下さい！××大学　名前　×××@〜〜〜』
　いつの間に…、と、呆然とした。こんなことするヒマがあるなら直接話しかけてくれればいいのに。同じ内容を書いた紙を何枚も書いて常備しているのかな…。それを片っ端から女の子のバッグの底に貼り付ける趣味とか…？こんな仕掛けをして、いったい何人くらいの連絡先が手に入るんだろう。
　弟と同じ大学名だったから、この人知ってる？と聞いてみたら「知らん」とそっけない返事がかえってきた。知り合いだったら面白かったのにな、と少し思う。

　在学中に焼肉屋でアルバイトをしていたころ、レシートの裏にアドレスを書いて渡されたことや、仕事が終わって外に出ると待ち伏せをされていたことがあった。漫画で読んだら「運命的！」などとときめくのに、現実はひたすら安っぽくて嘘くさかった。どの人も中途半端に酔っぱらっているし、相手は誰でもよさそうだった。酔っ払った都合のいいタイミングで目の前に安っぽい営業スマイルを浮かべた店員さんがいたから絡んでみたという感じだ。…という話を友達にしたら
「あんた本当に面倒くさいよね」
と言われた。
「自分が酔っ払って面倒くさい女になるのがわかってるから、自分と似た人に対してもシビアだよね」
だって。うん、そう。ホントにその通りでございます。
　素敵なロマンスを夢見ているのにチープな運命もどきばかりを引き寄せてしまうのは、自分の性格が原因だ。頭のなかで勝手に相手の性格やらなにやらを決めつけて、ひとりで納得して自己完結させる。浅くていい加減な憶測ばかりで埋め尽くすクセを、そろそろなおしたい。なおしたいと、思いつつも…。

　このアドレスを書いたメモを、そこらへんにいるオジサンに渡してみたらどうなるんだろう、と想像する。オジサンはここに連絡してくるかしら。そしたらこのメモを貼り付けた人はびっくりするだろうな、だって連絡してきた相手が知らないオジサンだなんて…。こんなことでにやにやしてしまう自分は、やっぱり性格が悪いと思う。

　　

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