星エリナのほろよいハイボール(連載33)

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星エリナのほろよいハイボール(連載33)


リゾットを揺する

 私はランチに結構お金をかけている。SNSで私とお友達な方はわかると思うが、ほとんどがぼっちだ。お一人様が怖くなくなったのは、たぶん大学生になってから。SNSに投稿されている写真のほとんどがぼっちランチの写真で、八割方パスタだ。イタリアン大好き。赤ワインが大好き。パスタはやっぱりトマトソース。あとチーズが大好き。パルメザンチーズという粉になって売っているものも常備してあるが、本物のパルミジャーノ・レッジャーノの塊もちゃんとある。
 パルミジャーノ・レッジャーノっていうのはイタリア産の有名で伝統的なチーズのこと。じゃあパルメザンチーズと何が違うのかっていうと、「パルミジャーノ・レッジャーノ風の粉チーズ」として売り出された商品の名前がパルメザン。パルミジャーノ・レッジャーノの塊はスライサーで薄くしてパンにのせたり、削ってパスタやサラダにたっぷりかける。うーん、これが本当に美味しい。
 と、まぁとにかくイタリアン大好きな私。ランチは特にイタリアンばっかり。この間も大学の友だちとランチへ出た。イタリアンにね。彼女はクリームソースのパスタをご注文。私は迷った末に、エビとパルメザンチーズのリゾットを選択。ふたつともとっても美味しいし、リーズナブルなランチで幸せ。欲を言えばやっぱりパルミジャーノの苦味と臭みみたいなものがほしいなーとか思ったり。
 そんな私がいつも通りリゾットを食べていると、一緒に食べていた友人が「痙攣してるよ」と言ってきた。ん? 痙攣? 私全然元気ですよ。彼女が見ているのは私の右手。今はぴたっと止まってる。そのままもう一口、食べてみる。そこでようやく気がついた。私、リゾット食べるとき、リゾットを揺する癖があるみたい。私の食べ方を最初から説明してみよう。リゾットはもちろんスプーンで食べる。極度の猫舌なので、スプーンで掬う量は少なめ。それから口元へ持ってくる前にぷるぷるっとスプーンを揺らす。そしてふー、ふー、して口の中へ。
 なんで揺するかっていうと、リゾットって言わばおかゆみたいな感じで、お米ととろりとしたスープでできている。お米は固形物だからスプーンにきちんと乗ってくれるのだけど、とろりとしたスープはスプーンからはみ出たり、ぽたり、と落ちたりする。猫舌の私にはそれがちょっと耐えられない。スプーンの真ん中にあるならまだ覚悟できているのだが、思わぬところに熱いそれがあると油断していた私の口は火傷してしまう。だからリゾットのお米とスープをスプーンの真ん中へ誘導するためにぷるぷるっと揺らす。私とおんなじ風に食べる方いらっしゃいません? 友人にはとても笑われたんだけど、実は普通にいると思ってる。
 自分の癖とか、自分の好き嫌いの感覚とか、やっぱりどうしても主観だから、他人から「それ変だよ」って突っ込まれるとちょっとびっくりする。でもそれが「お前面白いなー」に繋がっているみたいで、嬉しい。けれどもし、明らかに常識的に考えておかしいよ!ってときは、みなさん私にツッコミ、いれてください。


 


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