小林リズムの紙のむだづかい(連載214)
小林リズムの紙のむだづかい(連載214)
清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演などを引き受けます。
D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正・ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。
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京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/
小林リズムの紙のむだづかい(連載214)
小林リズム
【食べファッション】
「やだ、遅刻しちゃう!」鳴らなかった目覚まし時計にケチをつける間もなく飛び起きて、食パンにマーガリンを塗ったくり、それをくわえて駅へダッシュ!…というような少女漫画的光景にまだ出くわしたことがないのだけれど、一度くらいはやってみたいなぁと思う食パンダッシュ。走りながら食すなんて喉につまりそうだけれど、それくらい切羽詰った感じがまたいいよね。
「ティファニーで朝食を」では、オードリー・ヘップバーンがティファニーのお店のウィンドウを眺めながら、バゲットだかフランスパンだかをかじる、という名シーンがある。黒いワンピースをさらりと着こなし、髪の毛をアップにしてサングラスをかけたゴージャスな彼女が、街中でパンをかじるのはものすごく絵になる。食べるという行為そのものがファッションのように映っていて、ただウィンドウを眺めているよりもずっとお洒落にみえるのだった。
フランスではよくベンチに座ってサンドイッチを食べたり、歩きながら林檎をかじったりすることがあると聞いたのだけれど、日本ではなかなか見かけないよね。見かけたとしても単なる「歩き食い」にしか見えなくて、お洒落というよりはマナーがなっていないとか下品だと思われてしまう。それか、蒼井優みたいなシンプル志向的森ガール路線かのどちらかだ。
落ち着きがなく忙しない都内では、ゆったり歩くという環境が整っていないせいなのか、それとも単に日本人が子どもっぽく見える所以なのか、フランス人が食べているようにまるでファッションの一部のようにして食べることができず、なかなかサマにならない。あの優雅な食事のとりかたは、バゲットが成せるワザなのか、それとも手足の長くかっこいいフランス人が成せるワザなのか…。でも、彼ら(フランス人)は、バゲットではなく食パンだったとしてもシンプルにちぎって口に運ぶ姿は絵になる気がする。一方でわたしが街中でバゲットをかじるシーンを想像してみても、やたらと口を大きくあけたり、口の端にパンのかすが残っていたりするだろうし、きわめつけに高級ブランドのウィンドウをじっと眺めているなんて、これはもうファッションではなくて物乞いテイストだ。
日本人に似合うファッション感覚的な食べ方っていうのは、もっと庶民的なものな気がする。たとえば、制服姿のままコンビニの近くのガードレールに寄りかかって肉まんを食べる女子高生、ってけっこう好き。熱々の肉まんと、冬の風に当たって冷えてしまった膝から太腿の生足のコントラストが若くてみずみずしい。お祭りの屋台で浴衣を着て、爪楊枝を使ってたこ焼きを食べているのとか、いか焼きをまるかじりするのとかもいいよね。がっつき感があるほうが奥ゆかしい日本人にはほどよくギャップがあって似合う気がする。…と、スタバのフラペチーノ片手にイヤホンを耳にねじこみ、都内を闊歩する女子大生を眺めつつ。
小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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