小林リズムの紙のむだづかい(連載193)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
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小林リズムの紙のむだづかい(連載193)
小林リズム
 【娘が趣味な母と、自分マニアな娘と】
   
 親からネットストーキングされている。たぶん、ブログもツイッターもこのエッセイも全部監視されている。何も伝えたことがないのに、信じられない。22歳にもなる大きな子どもの一挙一動が気になるなんて。親ってそんなものなのだろうか…。おちおち陰毛とか生理とか、言ってられないよ…。などと最初の頃は思っていたのだけど、今ではもうすっかり開き直っているのだった。

 そういえば、けっこう前に日本酒のCMで「わたしの趣味は、あなたです」というキャッチコピーがあったのだけど、まさにそれだ。お母さんの趣味って、わたしだと思う。「わたしの趣味は、娘です」うん、ぴったり。そんなふうに言うと母は怒るけれど、遠くに離れて暮らしている娘の生活をひそかにチェックするのが習慣なことは、もう趣味とカテゴライズしていいと思う。「心配しているのよ」とか「応援しているんだから」といえば聞こえはいいかもしれないのだけど、どちらかというとややストーカーぎみ。わたしが直接話していないことまで知っていて、それなのに知らないふりを装って聞いてきたりするからちょっと怖い。

 おかげで娘のわたしは、自分のことが趣味になている。そしてこれは“母の趣味が子ども”という子たちに共通して見られる傾向のような…。自分の成長、自分の人気、自分の成功、自分、自分、自分…。オール自分!ビバ自分!すべての指針が自分に向いているから気づけば「わたしの趣味は、わたしです」という恐ろしい状況に。もちろん年を重ねたぶん、自分マニアがいかに痛々しく人から嫌がられることなのかを経験済みなので、直そうと試みる。「人に興味を持とう!」と意気込んで、やたらめったら質問し、それが失礼だなんてこれっぽっちも考えずにズバズバと踏み込んでしまう図々しさ。そしてそれを自覚できなかった自分勝手な己にはたと気づき、やっぱりわたしって自分マニアなんだ…と途方に暮れる、というエンドレス。

 自分マニアは決して押しつぶされない。心のなかで「自分はすごい(かもしれない)」と思い込んでいるからだ。そしてそれは世間知らずという言葉でも表せる。だから社会に出て自分の理屈が通じないとわると一度呆然とする。けれどすぐマニアはバカみたいにケロッと立ち直る。何かにぶつかったとき、たとえば失恋したときも、悲劇のヒロインに徹することができる。「ああ、わたしってなんて可哀想なの…」と涙を流して、そしてそんな自分をちょっと鏡で覗き込んで酔いしれてみたり。あるいは律儀に自分の想いを書き連ねたポエムを創作、「あれ、ちょっとこのフレーズいいかも」などと調子に乗ってツイッターなんかでつぶやいてみたり。そうこうしているうちにすっかり立ち直っている。
 自分が最高だとは思わない。自分が良い人間だとも思わない。自分のことを性格がいいとも思わない。けれど、自分のことが好き。このビッグな図々しさが、自分マニアの特徴。ああもう、そんな人たちで世が埋め尽くされたらたまったもんじゃない。お母さん方、お子さんをくれぐれも趣味にしないよう、よろしくお願い申し上げます。

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

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