小林リズムの紙のむだづかい(連載191)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載191)
小林リズム
 【わたしが誰よりいちばん!】
   
「この間エレベーターに乗ったときにね、男の人が“押してください”って言うからわたし、その男性のことを押したのよ。そしたらねぇ、“僕のことじゃなくてボタンを押してください”って言うから驚いちゃった」
と生ビールのジョッキを傾けながら笑う祖母をみていて、やっぱりこの人は天然だなぁと思った。言うと怒るからいわないけれど、祖母はかなり変わっている。
「実はわたしね、若いころ赤ちゃんを抱っこしてたら転びそうになって1メートルくらい赤ちゃんを投げちゃったの」
と、衝撃的なことを突然言い出す。祖母に投げられた赤ちゃんはどうなったかというと、現在わたしの母親をやっている。おくるみに巻かれていたから助かったのよ、本当びっくりしたわー、と話していたけれど、いやもう危うく捕まるところだったんじゃ…。そしたらわたしも産まれていなかったんじゃ…。おお、怖い。

 そんな祖母とわたしは趣味嗜好が合う。食べ物の好みもお酒の好みも同じなので、一緒に住んでいたころはよく飲み交わしていた。祖母と何を話すのかというと、恋愛話や将来のこと、そして母のことだ。
「なんで鬱病になったんだろうねぇ」
というネタから始まる。あんなに自分に自信がないのもすごいわよね、頭も悪くないし宅建だってとったのに…と不思議そうな顔をしてつらつらと話す。祖母とわたしは性格が似ていて、無駄に自信家。たとえば祖母はわたしに負けず劣らずの貧乳なのだけど自分のことを胸があると思い込んでいる。どの角度から見てもささやかなコムネなのに、いったいどこからその自信が湧きでてくるんだろう。そういえば外見を褒められたときに「ありがとう」と返しなさいと教わったのも祖母からだったなぁ。

 わたしは生まれたとき尋常じゃないくらいにブサイクだったのだけど、それでも「かわいいかわいい」と全力肯定して育てられてきた。ガッツ石松のようなイカツイ顔をした赤ちゃんにかわいいワンピースを着せて、いくら「男の子ですか」と聞かれてもめげず、「かわいねー!」と写真を撮り続けたかいあって、勘違い女へと成長をとげた。わたしって、すごいのかも…。この根拠ない野暮な自信によって、今日まで生きてきたのだった。祖母も同じクチなのでウマが合う。
「うーん、ここの餃子も美味しいけどわたしが作る餃子がいちばん美味しいわ」
と主張する祖母をみながら、勘違いできるって幸せだなぁと、夢からさめたくないなぁと、思うのだった。

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

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