星エリナのほろよいハイボール(連載26)

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星エリナのほろよいハイボール(連載26)

失恋はしていない
 

 池袋で買い物するときは、ちょっといいことがあったときだった。地元川越よりも少しお高めだからだ。サンシャインシティとかはまた別だけど。池袋ルミネで5000円くらいのワンピースを買うのはちょっと大人になった気分を味わえる。同じビルの十階に、私がいつも行く美容室がある。白と透明の空間で、席は六つしかないけれど、スタッフが多い美容室だ。二年以上通っているため、アシスタントの方まで覚えている。あ、新しい人だ、とかね。
 ところで、私は実は高校二年生くらいから、髪の毛を伸ばし続けていた。成人式のためだ。成人式はとにかく派手にやりたいと思っていたからね。それから三年くらい伸ばし続けて得たあの髪。それをばっさり切ってしまった。長さ的には15センチほど。切りたいと言ったのは自分なのに、いざ美容師さんに「じゃー切るよ!」と言われるととても緊張した。え、あ、もうですか? あ、そうですよね私が言ったんですもんね。とか思っているうちにばさっと、切られました。切り終わると、「下見てごらん」と言われたので、椅子から床を見てみた。うんわー、すごい量の髪の毛。私、こんなに髪の毛生えてたんだー。
 髪の毛の色までがらりと変えた。今までは金色の細いラインを表面にたくさん入れて、明るめの髪型だった。それがなんと、ほぼ黒髪。明るさは地毛の次くらいの暗さで、アッシュ系にした。オレンジ系だと太陽の光とかで明るく見えちゃうから。

 がらっとイメージチェンジをしたその日。地元の居酒屋で両親と飲み会。美味しい焼き鳥をご馳走になりました。そんな私を見て父の一言。
「どうした、ふられたか?」
 大爆笑しながら言われた。なんじゃそりゃ!! 父親が言うことか!
 もちろん酔っ払っていたからだということもわかっているんだけれども、なんだかちょっと、悔しい。というかまず彼氏がいない。必ず彼氏いるでしょ? と聞かれるんだけど、いないから。そういうとどうやら謙遜していると思われるのか、「またまたぁー」とか「ほんとはいるんでしょ?」とか言われる。みんな、傷を抉るの好きなのね。
 とにかく失恋とかはしていない。こんなに言い張ると逆に嘘っぽいけれど本当にしていない。前回のエッセイで私はうそつきだと言ってるけどこれだけは嘘じゃない。はい、信じて。


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