小林リズムの紙のむだづかい(連載174)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載174)
小林リズム

【嗚呼、フリーターの風当たりの強さよ】

 
 
 20歳のころはとにかく落ち込んでいた。鬱病になった母との意思疎通が厄介だったり、祖父母と暮らすことへのストレスだったりしたことも重なって、振り返るとけっこうな暗黒期だった気がする。自分を救ってくれそうな言葉にしがみついていて、やたらと啓発本を読み漁っていたのだった。「あなたはそのままでいい」とか「日常のなかに幸せはある」とか似たようなことが書かれている言葉をストレートに飲み込んで、そうよ!わたしは幸せ!!と言い聞かせていたのだった。

 そんなふうだったから、当時は授業用に使っていたノートに人から聞いてハッとした言葉だとか名言だとかを書き並べていたのだけど、これが読み返してみるとなかなか面白い。たとえば心理学の授業のページの隅っこに「ひとつの毛根から2本の毛が生えることもある」とか「運命はある。ビビッとくる。運命と出会えるのを心待ちにしている」とかメモしてあるので、やっぱり当時のわたしは相当病んでいたのだ…。それもかなりの殴り書きで自分でも読めないような字だから、美しいノートを書く東大生はわたしの雑多につめこまれた授業ノートに驚愕するかもしれない。なかでも教職課程をいっしょにとっていた友達の語録が多くメモされていて、そのときはイマイチわからなかったけれど、時を経た今だからなんとなくわかるようなものもあって、たとえば
「条件をつけるのは、その人のことが好きじゃないからだと思う」
という言葉なんかはけっこう心理かもしれないなぁと思う。この人はこういう会社に勤めているし、こういう物を持っているし、お姑さんとは一緒に暮らさなくてもよさそうだし、だから付き合おう、と頭できちんと冷静に考えられる人は、その人のバックグラウンドにあるものに恋しているだけで、その人自身には恋していない。

 そういえば、この間ちょっとだけ知り合いの年輩夫婦に「うちの息子を紹介したい」と繰り返し言われ、見たことも会ったこともないわたしのために息子はダイエットしているという話をしてきたのだけど、わたしが「今フリーターで…」と話した途端「…エッ!」と驚いていっさい紹介の話をしなくなったのだった。あのう、べつにお宅の息子さんに養ってもらいたいだなんて、これっぽっちも思っていないのだけど…。と突っ込みたくなったのだけど、それにしたってあまりにもわかりやすい動揺ぶりを前にしたら笑えてきたのだった。わたしが愛くるしい保母さんだとか、丸の内あたりのお洒落なOLだったら息子さんの嫁対象入りを果たしたかしら。彼らはとても明るくて優しい夫婦だから、これは大事な息子を考えたゆえの純粋なリアクションなのだと思う。けどさぁ、マジでフリーターに対する世間の冷たさよ…!と、ちょっと悲しくなったりもして。
 

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