小林リズムの紙のむだづかい(連載166)

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小林リズムの紙のむだづかい(連載166)
小林リズム

【勇気ある撤退】
 
 

「この授業は厳しいです。やめるなら今のうちです。諦めたり、何かを終わりにすることにも勇気が必要です。これが“勇気ある撤退”です。よく考えてからこの授業をとってください」

 大学の頃、国語の教職課程をとっていたことがあったのだけどそのときの国文学担当だった先生がこんなことを言っていたのを思い出した。芸術学部という特殊な学部のなか、先生という立場で放つ言葉としては、重かった。監督だとか俳優だとか写真家、小説家、イラストレーター、さまざまな道を目指す人が多いといわれるこの学部で、「諦めること」を教えるのはとても珍しい。それどころか“夢は諦めなければ必ず叶う!”“夢を叶えることこそ正義!”みたいな風潮で育ったわたしにとって、この“勇気ある撤退”は目からウロコだったのだ。

 こんなことを思い出したのも「若いうちのやり直しなら聞くと思ってさ」と飲み会で知り合った20代後半の男性が言っていたからなのだった。彼はアーティストという夢を諦めて最近社会復帰したらしい。パリッとスーツを着ていて、さっぱりした感じだった。もちろん彼のなかで未練だとか後悔は少なからずともあるかもしれないけれど、それでもホッとしたような緩みがあった。わたしは彼のその言葉にグラついてしまった。若いうちの失敗はきく。若いうちのやり直しはきく。若いうちなら大丈夫。若いうち、若いうち、若いうち…。それじゃあ若いうちっていつまでなのだろう?やり直しがきかない失敗をしたら、どうなるんだろう…?エッセイで食べたいと公言したり、腹をくくっただとか覚悟を決めただとか言っても、現実にはちょくちょく踏みとどまる自分にイラつきながらもよく迷っている。ずっとこのままだったらどうしようという焦りと、ずっとこのままではいられないという焦りで混乱する。夢を逃げ場にしたくない。

 だらだらと“夢”を引きづっていると、それはもう“夢”ではなくて別のシロモノになってしまうと思う。夢はずっと同じ形では居続けられないし、少しずつでもそこに近づいていけないのなら、それはもう夢ではなくてただの幻想だ。厳しいけれどそれが現実だし、需要がないのなら自分がやっていることは自己満足だとしか思えない。だからわたしは「食べていく」ということを目標にしたのだった。

 …なーんてビシッと青くさく書いてはみたものの、今の自分には“勇気ある撤退”なんていう選択肢はまだまだ持てないのだけどね。若いうちのやり直しがきくと言われるのなら、若いうちはそんなこと考えずに突っ走ろう。息も絶え絶えでバタンと倒れてやり直しがきかなくなったら、そのとき考えればいいや。勇気がないから今は撤退もできないもの。

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