小林リズムの紙のむだづかい(連載162)
清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演を引き受けます。
Ｄ文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正・ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。Ｄ文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価（送料無料）でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/
四六判並製160頁 定価1200円＋税
京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp
清水正へのレポート提出は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/
小林リズムの紙のむだづかい(連載162)
小林リズム
【運動できる人ぶりたい女子】
運動会の短距離走ではいつもビリ。跳び箱ではいつも台の上にお尻が乗って情けないことになっていたし、逆上がりは居残りで練習させられた。ハードル走の授業では「転んだ人のために絆創膏持ってきたよ」と、かわいこぶっていたのに真っ先に自分が転び、慰める友達の横で泣きながら膝に絆創膏を貼った。高校の授業のテニスでは「単位不認定にするぞ」と先生に言われ、バスケットだとかバレーだとかドッチボールなどの球技が得意な女子たちは恐れを成す存在だった。まあ、ひとことでまとめれば「運動音痴」で、高校最後の体育の授業が終わったときには歓喜のあまりスキップをしたいくらいだった。これでもう、辱しめられなくてすむ…！
そんな運動神経がまるでないわたしが、わざわざ8か月もかけてマニュアル車の運転免許をとったのにはワケがあった。今どきの車はほとんどがオートマチックだし、わざわざマニュアルを買おうなんていう人は身近にいないし、そもそもふつうに生きていてマニュアル車の免許なんて必要あるの？という感じなのだけど、それでもマニュアルの免許がほしかった。なぜか。それは「ダンプ運転できるの！」とどうしても言ってみたかったからなのだっだ。
学校という枠組みが終わったら、わたしが運動音痴だなんてことはバレない。さらっと「え？マニュアルの免許だよ。ああ、そう。ダンプも運転できるやつ」などと言えたら、これは生まれて初めて“運動ができる女子”になれるのではないか。わたしは嘘でも一度くらい“運動ができる女子”になりたかった。爽やかにポニーテールで髪をまとめて「おはよッ」とクラスの男子にタックルするような、少女漫画のヒロインになりたかった。マニュアル車の免許をとっただけでちょっと運動できる子ぶれるなんて、スバラシイ。
そうしてわたしは意気揚々とマニュアル車の免許取得に挑んだのだけど、後悔した回数は100回は下らない。お母さんに「マジで申し訳ないけど、免許とれないわ。25万円流すことになっちゃう…」と相談したこともあった。いつまでたっても免許のとれない娘を過干渉に心配した母が「あの、うちの子いつになったら免許とれるんですか…？」と、教習所にクレームを入れたこともあった。わたしが専属で教わっていた教習所の片瀬さんは、はじめてのクレームに相当落ち込んでいた。そして当時50代後半だった彼（妻子持ち）は、悲しげな瞳でわたしを見つめ「頼むから、免許をとってくれないと困るよ。お願いだよ…」と懇願してきたのだった。そんなこと言われたって…。
だから、ギリギリの期限に間に合い免許を取得できたときは本当に嬉しかった。あのおばあさんも、あのおじいさんも、あの変な人だって免許をとる過程を歩んでいたのだと思うと幾多もの試練を一緒に乗り越えてきた同士みたいな気持ちになる。密室内で恋にときめく教習所マジックみたいな出来事はまったくなかったけど、今の時点ですでにペーパードライバーだけど、ダンプを運転するどころか乗ったこともまだないけど、これからいっぱい言うつもり！「え？免許？持ってる持ってる。あ、うん、マニュアル車ね、ダンプ運転できるやつ」。
小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか？」
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