小林リズムの紙のむだづかい(連載156)

 
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ドラえもん』の凄さがわかります。
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小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/

紙のむだづかい(連載156)
小林リズム

【ありそうでなかなかなくて、でもあったこと。】span>
 

  ありそうでないこと、だけどやっぱり「こんなところにあったのか!」という出来事ってけっこうある。たとえばわたしはこの前、バイト先(服飾系)でセレブ自慢オバサンに出会った。
「うちの息子はね、いつも高島屋しか行かないの」
と入ってきて早々に言う彼女は、数千円のパンツを選び“まあこんなもんよね。時間がなくてオーダーメイドができないときは、仕方ないからここでお世話になっているのよ”と教えてくれたのだった。彼女は金縁の眼鏡をかけているという見た目もよくあるセレブな感じのオバサマで、息子を溺愛しているようだった。ほお…すごいなぁ…と圧倒されていると、
「ごめんなさいねぇ。サイズはよくわからないの。うちの息子は一流大学を出て、外資系の会社に勤めているから」
とか言い出すのでわたしはもう拍手喝采したくなった。外資系に勤めているのと息子のウエストのサイズがよくわからないことの関係性がイマイチよくわからなかったのだけど、とにかくわたしは「へぇ!すごいですねぇ!優秀な息子さんをお持ちでスバラシイですねぇ!」とリアクションしたのだった。本当にいたんだ!こういうオバサマ…!と、ちょっと感動しつつ。金縁のチェーン付きの眼鏡、濃いめの口紅、いかにもなセレブアピール、こういうよくドラマに出てくるような鼻につく人ってなかなか現実界でお目にかかれないから、とっても光栄だ。
「ここ、道が悪いでしょう?うちの息子はいつも車でくるから…。あ、車って言っても息子が運転するわけじゃないのよ。ちゃんと白い手袋した人が運転してくれるんだけどね…」
あまりにものできすぎたセリフに、わたしは昼ドラのワンシーンを見ているような感覚に襲われたのだった。よく考えたら9000円(が割引で6000円くらいになる)靴をにっこりと笑って「予算内だわ」と言いつつ購入に至らなかったオバサマの話は、どこまでが本当かわからないし、もしかしたら嘘でかためられていたのかもしれない。それでもわたしは彼女こそがセレブオバサンだと思う。ドラマで、見たし。

 たとえば、電車や街中でカーディガンを肩にかけている業界オジサンを見つけると感動する。お洒落な業界オジサンはストールを巻いている率も高くて、高級ホテルのラウンジバーみたいなところでフッと笑って「君の瞳にカンパイ」とか呟いて女の子を口説いているはずだ。でもなかなか出会わない。肩にカーディガンをかけるスタイルはドラマで見たのが先だったから、現実界で見つけると「ほんとうに、いた!」と、まるで有名人に出会ったような気分になる。ただカーディガンを肩にかけているだけで、ストールを巻いているだけで。単純だなぁと思いつつ惑わされてしまうのだった。

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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