小林リズムの紙のむだづかい(連載154)

 
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
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紙のむだづかい(連載154)
小林リズム

【出会いは空から降ってくるかも】
 

 母校のラジオにゲスト出演させてもらったときのこと。「じゃあ次の質問。結婚願望はありますか?」という質問に「ないです!」と即答してしまったのだけど、自分でもその答えの速さにびっくりしたのだった。いつかは結婚したい(かもしれない)希望はあっても、なんせ相手がいないので“結婚”そのものを現実的に考えられないのだ。想像を通り越して妄想になる。そしてふと“結婚”がすでに現実世界の出来事ではないように感じる自分にとても危機感を覚えて、帰り道にうめくようにつぶやいたのだった。「嗚呼…どうやって出会うんだろう…」するとあっけらかんとラジオ局でお世話になったKさんが言った。
「出会いなんて、突然降ってくるよ」
もちろんそんなの信じられなかった。駅の階段から落ちそうになって青年が手を広げて受け止めてくれる、なんていう少女漫画的出来事ことはどう頑張っても起こりそうにないし、無理やり階段から転げ落ちたところで哀れな目で見つめられるのが関の山。むしろ勢い余ってわたしの身体を支えきれずに一緒に転げ落ちるとか、ケガをさせてしまって慰謝料を請求されるほうがリアルだ。

「降ってくる…。そういえば、どうやって旦那さんと出会ったんですか?」
とKさんの薬指に光る金色のお洒落な指輪を見ながら聞くと、彼女はなんと、今の旦那さんと漫画喫茶で出会ったらしい。
「どうしてもインターネットを使わないといけない用事があって近くのネットカフェに行ったの。そこで店員さんをやっていたのが彼で。一目惚れされたみたい」
というストーリーに、その場にいた女子一同は息をのんだ。そんな場所に出会いが落ちているなんて。「あの、よかったらこれ」と渡された割引チケットの裏に書かれた名前とメールアドレス、電話番号…。

 そのとき彼女は6年付き合っていた彼がいたそうなのだけど、彼からは同棲も結婚もしない宣言をされていたらしい。「別れたいって言ったらパジャマで泣きながら足にしがみつかれて、女々しくてびっくりした」とか。しがみついてくる彼にKさんは一気に冷め、晴れて今の旦那さんと付き合うことになった。「好きです、結婚したいくらい好きです!」とクリスマスのイベントで、バニーガールの恰好をしてもつ煮を配っているときに、周りの目を気にせずに唐突に思いを告げる少年のような彼に惹かれたらしい。
「そのころになると駆け引きな恋愛が当たり前だったから。電話して出てくれた、脈あり。食事誘ってオッケーもらえた、脈あり。2回目食事オッケー、脈あり…って相手が自分に気があるって確信してから付き合うっていうのがふつうで。そういうのを無視して付き合ってほしいって言われたからびっくりした」

 そのドラマチックな話を受けて、「そういえばうちの母も28歳のときに突発的に行ったアメリカの留学先でお父さんと出会ったみたい」と話し出す友人。結論:出会いはどこにあるかわからないよねぇ。まずは漫画喫茶に出向いてみよう。…と思いながらタンスから服を取り出していると、上から何かが降ってきて頭に当たって落ちた。生理用ナプキンだった。…出会いが降ってくるのを待つより、まずこの女子力の低さ、具体的にはなんでも押し込んで隠している収納棚の整理からはじめようか…。

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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