星エリナのほろよいハイボール(連載14)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp


清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


星エリナのほろよいハイボール(連載14)
 恥を知らない

 オタクというのはもともと、サブカルチャーファン、主にアニメ・SFのファンのことをさすらしい。今では何か一つのことに熱中していえる人をオタクと呼ぶようになっている。鉄道に熱中していれば鉄道オタクだし、歴史が大好きなら歴史オタク。アイドルオタク、ファッションオタクまでいる世の中、オタクという存在は少数派ではなくなっている。
 そのなかでも、とあるアイドルオタクな女性と知り合ってしまった。好きなアイドルは男性グループ。そのグループが好きすぎて、ライブやらグッズやらにお金を注ぎ込むようになった。もちろん悪いことではない。その好きなアイドルのために尽くすことが彼女の生き甲斐であるのなら、それでいいと思った。
 さて、先日その彼女が大好きな男性グループのライブに私も連れて行ってもらった。あまりよく知らないし、少し不安な気持ちのまま行ったが、これが楽しい。ライブって本当に素敵だなーと実感した一日であった。

 が、しかし。彼女のアイドルに対する気持ちがライブ中は弾けていた。今まで以上に弾けていた。サイリウム(よくライブで見る光る棒)を両手に何本も持って振り回す振り回す。少しでも気付いてほしいがために前のめりになり、アップテンポの曲になると飛び始めた。もちろんアーティストが「飛べ!」と煽っているので、それはいいのだろうけれど、あきらかに周囲の人よりも頑張っちゃってる。
 ライブの合間のトークでも、何度も声をあげ、気付いてもらおうとする。
 とにかく私は引いてしまった。ライブ後には他のファンから「あの人やばくね?」と言われる始末。しかし、その「やばくね?」にも彼女はポジティブに「やばくね?って言われちゃった!まじうける!」とハイテンション。何がうけたの?
 盛り上がるときには盛り上がる。話聞くときには聞く。自分だけが楽しければいいわけじゃなくて、周囲の人と楽しむことが必要だと、私は、少なくとも私は、思った。

 まぁ、彼女にとって「あの人やばくね?」と言われることが恥ではなかっただけかもしれない。ちなみに私にとっての恥は無知だと思っている。「知らなかったんです」という言い訳が一番恥ずかしいことだと思っている。知らなかったから、教えてくれなかったからできませんでした。負けず嫌いな獅子座の私は絶対にそういう言い訳をしたくない。無知は一番の恥だ、ということを教えてくださったのは、中学のころの恩師。この先生には他にもたくさんの教えを頂き、私の生き方に深く関わった方でもある。あー、あの頃のように叱られたい。


※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。