小林リズムの紙のむだづかい(連載123)

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紙のむだづかい(連載123)
小林リズム

【毛を焼き殺しました】
 

 〜「毛なんて生えてません!」みたいな顔して生きる女子への挑戦状〜という、やたらと長いタイトルのエッセイを公表しているのだけど、おそろしく脱毛が流通している今、「毛なんて生えてません!」どころか、「毛ってなぁに?えぇ、そんなとこに生えるのぉ?」然して生きていく女子が増えていくのではないかなぁと、心配している。 …と言いつつ、ちゃっかりワキだけ脱毛に通っているわたしだって例外ではなく「毛を焼き殺しました」とドヤ顔で言ってしまいたいくらいには、毛に対しての思い入れは強い。

 わたしがワキ脱毛を決めたのは、親友が「すっごいラクだしいいよ」と勧めてくれたことと、数千円という思ったよりもだいぶ安い価格だったことが理由だった。とはいえ、はじめてワキを脱毛しにいくとき、まだ涼しいくらいの時期だというのに緊張のあまり汗だくだった。「1〜2ミリだけ生やしてきてください」とサロンのお姉さんに言われたのだけど、他人様にチクチクしたワキの状態を公開するなんて自分史上ではなくって、そんな恥ずかしい状況に自分が耐えられる自信がなかったのだった。
 なにより、自分のちょい生え状態のワキを見られているときのお姉さんの顔を想像したり、今度はそのお姉さんの顔をみた自分の顔の表情のつくりかたを考えてしまったりと、あいかわらずの自意識の持て余しっぷりで「脱毛コワイヨ…」と怖気づいていたのだった。

 しかしそんな恐怖は軽く吹き飛ばされてしまうくらいに、脱毛はあっけなかった。まず、用意されたキャミソールを着る。そして固めの簡易ベッドに横たわると、サロンのお姉さんが顔にタオルを載せてきて、「脱毛時の光が強いから」とその上に眼鏡まで装着させてくれる。つまり、自分の視界はタオルや眼鏡にさえぎられて真っ暗で、ちょい生え状態のワキを公開しているときもお姉さんの顔をみなくてすむのだった。だから「両腕をあげてください」といわれても「ハイ…」と思ったよりも恥ずかしくなく、チクッとした軽い痛みがあるだけですぐさま終了したのだった。

 こうなると味をしめるもので、どこもかしこも脱毛したくなってくる不思議。お金さえあれば…。けれど全身脱毛というのは、いったいどこの毛からどこの毛までを指すのだろう。一番気になるのはもちろんデリケートゾーンで、Vライン(正面からみた三角の部分)、Iライン(平らな部分というか、奥行き?)、Oライン(お尻)の脱毛について。ワキはなんとか脱毛できたわたしだけれど、デリケートゾーンの脱毛をしているシーンはさすがにちょっと、想像できない。どんなポーズで、どんな顔をして脱毛してもらうのか。ちょっと、ハードルが高い…。「きれいになりたい」という自意識は、いくつもの恥という自意識を乗り越えてようやく成り立つものなのだなぁと、意識高めの自分磨き系女子をちょっとばかし尊敬するのだった。 

 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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