清水正への原稿・講演依頼は qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー・宮沢賢治・宮崎駿・今村昌平・林芙美子・つげ義春・日野日出志などについての講演を引き受けます。
ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/
四六判並製160頁 定価1200円+税
京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp
http://www.youtube.com/user/kyotozoukei?feature=watch
紙のむだづかい(連載69)
小林リズム
【姉弟合コン、はじめました 前編】
「最近どうなの?良い子とか見つかった?」
「いやー、ないね」
「じゃあさ、合コンしようよ」
…というわけで、2歳年下の弟と合コンをすることになった。「姉弟合コンなんてさ、前代未聞じゃない?」とうきうきする私に、「もしりっちゃんの友達が僕にアピールしてきたり、その逆もあったりしたらどうする?」と夢見がちな弟。「最初から姉と弟だって言うと、みんな引いちゃって収穫なくなりそうだから隠そうか」ということになり、とりあえずは、姉弟だということを言わず、最後にネタ晴らしをしようという作戦になった。それぞれの友達に自分の姉弟の名前も知れていることから、弟はサトル、私はマナミ、という偽名も決めて、準備万端だった。
弟が予約した新宿のお店は、9人が入るのにはそれはそれは狭かった。お座敷だし、テーブルも小さいしで不便だったのだけど弟が「小林」で予約をとった手前、友人のなかでは私が予約したということになっている。「いやぁ、ごめんねぇ、こんなお店だったなんて…」と取り繕うようにし、サトルくんを軽くにらむ。サトルくん、気付かない。
兼ねてから、弟が合コンのときにどう振る舞うのかを見てみたい!という好奇心があったのだけど、登場した弟は今っぽさを取り入れた服装で、髪の毛の分け方もこだわっていて、珍しくピアスまでいれていて、その気合いの入れようが可愛かった。
私が呼んだ合コンメンバーは、華奢でおしとやかな色白ちゃんと、華やかで芯の強いお嬢さん、ふんわりチャーミングな先輩、それからバリバリの営業っ子ちゃんと、個性豊かで濃い子たち。一方、弟の連れてきた男の子たちは、純朴そうな良い子たちばかりだったけど、理系の大学で女の子が少ないせいかとにかくあまりしゃべらない。楽しいムードが見られないまま、華やかお嬢さんと営業っ子ちゃんが、隣で名刺交換をし出した。そんな光景を前に学生の男の子たち、びっくり。次第に女子同士で話し込んだりしてしまって、あれ、なんなんだろうこの集まりは…みたいな状況になってしまった。