小林リズムの紙のむだづかい(連載69)

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紙のむだづかい(連載69)

小林リズム

姉弟合コン、はじめました 前編】


「最近どうなの?良い子とか見つかった?」
「いやー、ないね」
「じゃあさ、合コンしようよ」

 …というわけで、2歳年下の弟と合コンをすることになった。「姉弟合コンなんてさ、前代未聞じゃない?」とうきうきする私に、「もしりっちゃんの友達が僕にアピールしてきたり、その逆もあったりしたらどうする?」と夢見がちな弟。「最初から姉と弟だって言うと、みんな引いちゃって収穫なくなりそうだから隠そうか」ということになり、とりあえずは、姉弟だということを言わず、最後にネタ晴らしをしようという作戦になった。それぞれの友達に自分の姉弟の名前も知れていることから、弟はサトル、私はマナミ、という偽名も決めて、準備万端だった。

 弟が予約した新宿のお店は、9人が入るのにはそれはそれは狭かった。お座敷だし、テーブルも小さいしで不便だったのだけど弟が「小林」で予約をとった手前、友人のなかでは私が予約したということになっている。「いやぁ、ごめんねぇ、こんなお店だったなんて…」と取り繕うようにし、サトルくんを軽くにらむ。サトルくん、気付かない。
 兼ねてから、弟が合コンのときにどう振る舞うのかを見てみたい!という好奇心があったのだけど、登場した弟は今っぽさを取り入れた服装で、髪の毛の分け方もこだわっていて、珍しくピアスまでいれていて、その気合いの入れようが可愛かった。

 私が呼んだ合コンメンバーは、華奢でおしとやかな色白ちゃんと、華やかで芯の強いお嬢さん、ふんわりチャーミングな先輩、それからバリバリの営業っ子ちゃんと、個性豊かで濃い子たち。一方、弟の連れてきた男の子たちは、純朴そうな良い子たちばかりだったけど、理系の大学で女の子が少ないせいかとにかくあまりしゃべらない。楽しいムードが見られないまま、華やかお嬢さんと営業っ子ちゃんが、隣で名刺交換をし出した。そんな光景を前に学生の男の子たち、びっくり。次第に女子同士で話し込んだりしてしまって、あれ、なんなんだろうこの集まりは…みたいな状況になってしまった。