小林リズムの紙のむだづかい(連載11)

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日芸女子腕相撲大会
紙のむだづかい(連載11)
小林リズム

◆生理の味方〜中学生〜

 私が生理になったのは中学1年生も終わる頃。いつも学校に一緒に行く友達の誕生日だった。綿のピンクのうさぎのパンツを履いていて、朝起きたらそれが赤黒く汚れていたのだった。家のトイレでそれを見た瞬間、心臓がぐんっと跳ね上がった。何が起こったのかわからなかった。病気かもと一瞬思った思考はゆるやかにそれがはじめての初潮なのだと理解していった。私はそのとき、本気で、人生の絶望を感じたのだった。
 よく、漫画や小説では「はじめての生理☆」というポップな印象でお赤飯が炊かれたり、「大人の女になったね」なんて祝福されているけど、どうしてあんなことがありえるのか私には理解できない。中学生の私は子どもだったし、子どもでいることを望んでいた。だから生理になったことなんてことを絶対に誰にも言いたくなかったのだ。
 保健体育の授業でもらった生理用品を学校鞄に詰め込み、最悪なメンタルで学校へ向かった。学校のトイレで生理用ナプキンをパンツに貼り付けたとき、十三歳の私はもう死んでしまいたかった。これから毎月、こんなふうに股から血が出てきて、パンツにコンパクトなオムツみたいなこれを貼り付けないといけないのかと思ったら泣きたくなった。私は自分に生理が訪れるのは、高校生くらいになってからだろうと信じていたのだ。小学校のときに生理になった子の話しを聞いてもまったく羨ましくなかったし、むしろ同情していた。あぁ、女になっちゃうなんて、子どもでいられないなんて、血が出るなんて、かわいそう、と。
 それから毎月生理がくるたびに戦っていた。友達に絶対にバレたくなかったから、トイレに生理用品を運ぶのにもすごく気を遣った。すばやく鞄からナプキンを取り出し、袖口に押し込み、何気ない風を装ってトイレに直行する。トイレで生理用品を開けるときのペリッと剥がす音さえ聞こえないように慎重に扱った。私は心から生理用ナプキンを剥がすときの、あの音が鳴ってしまうデリカシーのなさを憎んでいたのだった。なんで剥がすときに音がならないナプキンを開発してくれないのか、大人は何をやっているのだと苛立っていた。また、こまめに取り替えないといけないという不便さも呪った。モレていないかも心配だし、もし漏れて後ろの席の男子にバレたりなんかしたら、思春期初心者だった私はその恥ずかしさだけで死ねたと思う。