サハリン日記(4)

『世界文学の中のドラえもん (D文学研究会)

全国の大型書店に並んでいます。
池袋のジュンク堂書店地下一階マンガコーナーには平積みされています ので是非ごらんになってください。この店だけですでに二十冊以上売れています。まさかベストセラーになることはないと思いますが、この売れ行きはひとえにマンガコーナーの担当者飯沢耕さんのおかげです。ドラえもんコーナーの目立つ所に平積みされているので、購買欲をそそるのでしょう。
我孫子は北口のエスパ内三階の書店「ブックエース」のサブカルチャーコーナーに置いてあります。


四六判並製160頁 定価1200円+税

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。
ここをクリックしてください エデンの南   清水正の林芙美子『浮雲』論連載    清水正研究室  
   グッドプロフェッサー

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
『ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp
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http://www.youtube.com/user/kyotozoukei?feature=watch

サハリン日記(4)

平成24年9月14日(金曜)
朝、何が当たったのかはげしい下痢。山下さんは腹痛で夜中じゅう眠れなかったそうで、薬を飲んでとにかく睡眠をとることに専念。十時、どんなにビールを飲んでもひとり元気な窪田さんとロビーでアントニーナ(トーニャ)を迎える。タクシーを呼んでもらい、チェーホフ記念文学館へ向かう。ホテルを出てすぐにアンナ(十一日、サハリンに着いてすぐに税関で話しかけて来た日本語堪能なロシア女性)が黒のミニスカートをはいて歩いているのをトーニャが発見。タクシーの中から私が大きな声で「アンナ」と呼んだがまったく気づかずに行ってしまった。アンナとトーニャはサハリン大学で日本語を学んだ、いわば学友。残念ながらアンナの写真だけは撮ることができなかった。


運転手が道一本遠回りしてチェーホフ記念文学館に着く。トーニャと記念撮影。一昨日の記念館のメンバーにトーニャからわたしの訪問の意図を伝えてもらう。研究員のイリーナ・アルトゥローヴナ(Ирина Артуровна)に『チェーホフを読め』(鳥影社)と『チェーホフの授業』を渡す。後者はイリーナにサイン入りで贈呈。その後、いろいろと説明を受けた。トーニャの通訳に助けられてスムースにいろいろな話をすることができた。
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装いを新たにトーニャ登場。トーニャは今年の八月に十カ月ぶりに日本留学からサハリンスクに戻り、エレーナ教授のもとで研究を続けている。日本人受けするユーモアあふれる優しいお嬢さん。十一日夕方、レストランへ向かう途中「年齢を聞いてもいいですか」と訊ねると「ロシアの女性はそういうことまったく気にしません」と言う。「それでは、いくつですか」「十九歳」わたしたち三人はびっくり仰天。聞き返すとトーニャ大笑いして「にじゅうきゅうさい。わたしすうじよわいのでまちがえました」これでわたしたちは一気に仲良しになり、楽しい食事会を過ごすことになった。
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チェーホフの記念銅像の前でトーニヤと一緒に撮影。熱い日差しが容赦なく降り注いでいた。サハリンは寒い、否、涼しいと思っていたのに、日本とまったく変わらない猛暑が続いていた。
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記念文学館研究員のイリーナさんに拙著『チェーホフを読め』(鳥影社)を渡す。この本は担当者が窪田尚さんで、依頼されて四カ月で一気に書き上げた。
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二日前と違い、写真撮影はなんでもオッケー。トーニャのおかげで会話もスムース、イリーナの説明もよくわかった。イリーナさんはチェーホフをよく研究しているひとなので、デリケートな質問にも明確に答えてくださった。
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チェーホフの『サハリン島』はしばしばドストエフスキーの『死の家の記録』と比較検証されてきた。右下は『死の家の記録』の原書。イリーナさんはガラス戸を引いて撮影しやすいように配慮してくださった。
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チェーホフ記念文学館は来年には閉館、場所を移すそうで、今年来館できたことはラッキーであった。イリーナさんの説明で、チェーホフがこの地で実にすばらしい仕事を残したことを実感した。今でも祖先のことを調べるためにチェーホフが書き残したメモを見に来るひとが絶えないそうである。チェーホフ晩年の大仕事である詳細なサハリン調査は未だ多くの謎に包まれている。今後、その謎はきちんと解き明かされなければならないだろう。
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トーニャとイリーナと記念撮影。たいへんお世話になりました。