『ドストエフスキー「悪霊」の世界』の校正

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本日は喫茶店ドストエフスキー「悪霊」の世界』の校正。約四分の三ほど終えた。わたしの『悪霊』論は『ドストエフスキー体験』に収録したものを除いて三冊ある。『ドストエフスキー「悪霊」の世界』は二番目に刊行したもので、鳥影社版(平成2年9月10日発行・A五判並製399頁)とД文学研究会版(平成2年7月25日発行・A五判並製・限定100部398頁)の二種類がある。違いは装丁と「あとがき」。ほかの二冊も校正にとりかかった時点で改めて紹介したい。
今回は『ドストエフスキー「悪霊」の世界』の目次を掲載する。

鳥影社版(左) Д文学研究会版(右)表紙の肖像は舞踏家・大野一雄 撮影は久留幸子氏

鳥影社版の表紙と裏表紙

肖像は舞踏家・大野一雄 撮影は神山貞次郎氏

ドストエフスキー『悪霊』の世界
目次

ニコライ・スタヴローギンの肖像
ニコライの肖像
ニコライの精神分裂
ニコライの暴挙・スキャンダル
息子ニコライと太母ヴァルヴァーラ
ひき裂かれた自己
仮面(にせ―自己)としてのニコライの虚無
分裂病質者ニコライの不安と恐怖
太母に対する第一次反抗
太母に対する第二次反抗
太母殺しの挫折の唯一性の奪回へ向けて
ニコライの帰郷と呪縛霊ヴァルヴァーラ
美男子ニコライ
ニコライの狭量と倨傲
ニコライの現在時と空虚な内的自己
太母と息子ニコライの対決
敗残者ニコライの茶番劇
ペテルブルクでのニコライ
アントン君のニコライ観
ニコライの堕落と虚偽
ニコライの耐える意志
買いかぶられすぎたニコライ
ニコライの卑小さ
なまぬるき者ニコライ
ニコライとスヴィドリガイロフ
罪の感覚

ニコライ・スタヴローギンの告白をめぐって
ニコライの病理的傾向(サド・マゾ)
善悪観念の磨滅
マトリョーシャの現出・ニコライの悔恨
ニコライとヴァルヴァーラ
アントン君の注釈
描かれざる少女陵辱・セックス
ニコライとマトリョーシャ
陵辱後の足どり
神殺しの秘儀
ニコライの鏡像・マトリョーシャとヴァルヴァーラ
赤い蜘蛛
「赤い蜘蛛」と「巨大ないやらしい蜘蛛」
「赤い蜘蛛」と太母ヴァルヴァーラ
“神”を試みる実験
黄金時代の夢
楽園からの失墜
またしても「赤い蜘蛛」の現出
ニコライの実験と分裂・未だ親交は遠く
新しい犯罪
アントン君による告白の解剖
チーホンによる告白の解剖から
ニコライに赦罪は可能か
チーホン対ニコライ
チーホンの肖像・聖と俗の混交
チーホンとポルフィーリイ
罪と回心
回心と死と天国
回心の不可能と懐疑
チーホンの語られざる罪
宗教的経験の諸相(回心をめぐって)
ニコライと分身・悪霊
ニコライとチーホンの“傲慢”

スピノザの神をめぐって
スピノザの神をめぐって
スピノザドストエフスキーの人神論者達
神=自然の認識と信仰
死の勝利と復活・スピノザとイッポリート
スピノザの反キリスト教的性格とニコライ
人神キリスト・スピノザとキリーロフ
スピノザの神の認識と信仰

スピノザからマルキ・ド・サド
スピノザからサド侯爵の閨房哲学へ
道楽者ニコライ
悪徳の栄え―サド侯爵の悪徳漢とドストエフスキーの人神論者たち
サド文学の危険性(楽天性)
サド侯爵の想像力の質(神=自然との一体化)
無垢と怪物性―アリョーシャ・ヴァルコフスキーをめぐって
悪の哲学者・ヴァルコフスキー公爵
「気紛れ」と「恥さらし」
秘中の秘
悪の哲学と実践―サド侯爵とヴァルコフスキー公爵

地下男の哲学
地下男の誕生
悪の語り手
屈辱の快感―サディストになりそこなったマゾヒスト
自然の法則の二義性
「自然の神」と虚無の戯れ
醜悪な恥ずべき犯罪・地下男とニコライ
嫌悪を抱かせる穴蔵男
地下男が想定した読者
神=自然への挑戦と甘え
オルゴールの釘

ステパン先生の回心
神の試みから回心へむけて
ステパン先生の放浪―街道と百姓
百姓の指示―ハートヴォからウスチェヴォへ、そしてスパーソフへ
ソフィヤとの出会いと福音書
名前にこめられた意味
ルカ福音書(ゲラサの豚)と『悪霊』
「ひとりの男」とイエス―汚れた霊と神性の顕現
豚の死と生き延びたレギオン
奇蹟―悪鬼追放の一大イベント
奇蹟―おびえとメシア待望
未だ来ぬイエス
ステパン先生の回心
太母ヴァルヴァーラの呑み込み
太母とソフィヤ

神話的心理学的側面からの考察
『悪霊』の日付をめぐって―数・曜日の神秘的運命性
ニコライの運命にまとわりつく三、六、九
一八七〇年八月、九月、十月の旧ロシア暦表
『悪霊』の足取り
ステパン先生の遍歴の足取り
『悪霊』のモデル表
『悪霊』の三角関係図

あとがき
肖像 大野一雄
撮影 神山貞次郎 久留幸子