林芙美子研究取材旅行(林芙美子と白地温泉小西旅館)④

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十九日は朝食を終えて、すぐに小西旅館の展示物を見せていただいた。林緑敏さんから寄贈された林芙美子の著作、原稿用紙、色紙、写真など、小西旅館にこなければ見れない珍しい資料などを拝見することができた。

午前八時、朝食

宿泊した小西旅館の二階の部屋から見る白地温泉の美しい自然

熱心に文献調査

文献調査と撮影

こんなにきれいなまま保存されているのは珍しい

新潮社から林緑敏さん宛の葉書が文庫本のなかにはさまっていた

林緑敏さんから寄贈された林芙美子の著作

林緑敏さんから寄贈された林芙美子専用の原稿用紙。
小西義昭さんから三枚ほどいただくことができた。感謝。



小西旅館の林芙美子展示室の書棚に置いてあった
桂冨士郎著『阿波文学散歩』(徳島新聞社平成十六年六月十七日)には
林芙美子 旅人
白地温泉で運命的な出会い
  老人と不思議な交情」
と題して次のように紹介されている。

 「道甚」という旅館が、小西旅館である。津助老人のモデルは小西悦助といい、彼の住んだ小さな家は今も道路をはさんで旅館の斜め前に残る。
 廃墟に近い。小西旅館も外観は変わり、昔日の面影はない。林芙美子コーナーをロビーに設け、玄関わきに芙美子の句碑を持つ変わった旅館である。全国でも珍しい、芙美子ファンにはこたえられない存在である。このコーナーに悦助が語った言葉を芙美子が筆記した色紙が展示されている。
 「冥途(めいど)から今日は迎ひが来るであらう。きたれば留守と言ふておけ。留守と言ふたらまた来るであろ。今度きたれば厭(いや)といへ。悦助七十七歳の作 林芙美子
 二人の奇妙な関係。東京時代に何らかの関係で知り合った間柄という説もあるが、小説では初対面である。戦後、再び悦助老人をモデルにして、生ぐさい小説を書く。それが「めかくし鳳凰」である。

津助老人のモデルとなった小西悦助。小西旅館に展示されている


竹内菊世さんが「林芙美子の足跡」と題して小西旅館を取材した成果を写真入りで掲載している。『徳島ペンクラブ選集』は平成21年12月に「徳島ペンクラブ」より刊行されている。