日芸・自動車部新部員歓迎会は伊香保で(連載第七回)

ここをクリックしてください エデンの南   清水正の林芙美子『浮雲』論連載    清水正研究室  
清水正の著作   D文学研究会発行本
日芸・自動車部新部員歓迎会(2010/7/28)
日芸・自動車部一行は昼食の後、再び高速道路を走り二時半、善光寺に着く。私は善光寺参りは三度目であるが、「牛に引かれて善光寺参り」よろしく、今回は坂本(自動車部総務・日芸マス研会長)と松本(自動車部副将)に引かれての善光寺参りとなった。車を降り、酷暑のなかを歩いて十分、店に立ち寄りながら本堂へと着く。善光寺本堂は1953年(昭和28年)3月、国宝に指定されている。山門(三門)と経堂は重要文化財である。女性陣が最も興味があったのは、本堂の床下の真っ暗な通路を通り、本尊の阿弥陀如来が安置されている「瑠璃壇」という小部屋の真下にあるとされる極楽浄土への錠前に触れる「戒壇巡り」にあったようで、嬉々として入場券を購入し、私の前から消えていった。私はすでに体験済み。現代人は真の闇を知らない。私は常々「闇は豊饒、光は闇の落ちこぼれ」と言っている。「戒壇巡り」で闇の豊かさ、聖なる静謐さを体感することができたであろうか。一行は善光寺を後に、午後三時半過ぎ、林芙美子文学館を目指した。