「マンガ論」第四回目(2010/5/17)

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「マンガ論」第四回目(2010/5/17)はつげ義春の『チーコ』の最終授業。トルストイの『アンナ・カレーニナ』のアンナは飛べる女、ドリイは飛べない女。チーコは文鳥の名前であると同時に奥さんの名前とも重なる。チーコとドリイの共通性。タイトルページの「チーコ」の三つの意味。テキストの解体と再構築などについて話す。

清水正つげ義春論二冊(現代書館)。「マンガ論」受講者は『増補版・つげ義春を読む』を購入しておいてください。

清水正の決定版つげ義春論(鳥影社)。左は豪華・限定百一部版(著者のサイン・落款あり)

つげ義春を読む』に収録の「チーコ」論

つげ義春を読め』に収録された「チーコ」論

つげ義春を読め』普及版・豪華版(右)の扉

豪華限定版の付録「清水正を読め」。内容は下記の通り。
◍東条真耶という〈主体〉・・・・・浅沼ハク(連句人)
◍表現の人・・・・・此経啓助(日芸教授)
清水正を読む・・・・・志賀公江(漫画家)
清水正の「つげ義春作品論」を読む楽しみ・・・・・下原敏彦(日芸講師)
◍境界のない世界・・・・・谷川彰英(元筑波大学教授)
◍マンガ論に未来あれ・・・・・三浦みつる(漫画家)
◍「チーコ」「西部田村事件」の思い出・・・・・山下聖美(日芸専任講師)
◍海外における「つげ義春元年」、進む国内での再評価
           ・・・・・阿久澤騰(アメリカ文化研究家)

受講生の感想

1回目読んだときに「一体何が言いたいんだろう、コレ・・・」と思いましたが先生の解釈を聞いてびっくりしました。一気に色がついた感じ。今のマンガは始めから色がついているから、「想像する」ことが少なかったのかも。
(演劇 小沼和)


細かいところまで描写されていて抜け目ない作品ですね。最後はとても意味深でした。先生に言われてから最初のコマを見ると、どのチーコの可能性もあって驚きました。1回目読んだときはそんなこと全く思い付かなかったのですごいです。再構築ってこういうことを言うんですね!
(文芸 眞柄冬音)


人々にとって『チーコ』というマンガの解釈が違う。私はこの主人公の男の人はとても典型的な日本人の男性と思う。曖昧だし、優柔不断だし、こころの中の矛盾も深かった。日本は男社会と思われたから、女性はいつも男の思うとおりに生きてるものだから、このマンガは日本の社会現象もよく表した、つくすタイプの女と弱いチーコとの繋がり、幸せということ反面の表現・・・・・・
(文芸 李麟)


一回目に読んだ時は(なんでこのマンガにしたんだろ、単純でつまんない)と思ったけど、先生の話を聞いてるうちに何回読んでも面白いマンガになった、もっとみんなの読み方を知りたかったな。細かく見ると、象徴的なものが沢山あって、これを無意識に書いてるとしたら本当天才だな。マンガ家ってやっぱりすごい。
(演劇 鶴巻美加)

最初読んだ時はチーコの死のシーンばかりが印象に残ったけど、解体→再構築をして、チーコの出現とチーコの死によって、2人に何かしらの変化が起こったんだろうなと思いました。特に男の人に、今までよりも良い意味での変化が起きたんじゃないかなと思いました。最初のページのチーコは再生したんだと思いました。外の木に止まっているので。
(文芸 三矢日菜)


チーコを1番はじめに読んだ時、ただのかわいそうな鳥の漫画だと思いましたが、今ではとても深くメッセージ性の強い作品だと思っています。私が1番印象に残ったのは、最後のコマです。箱に入れられて、飛び立てずに地に埋められたチーコが最後のコマでは高く飛び立ち、飛べない女であった奥さんが空高く飛んでいくチーコを見つめる最後のコマが、一番心に残っています。
(文芸 伊藤景)


チーコと奥さんをかさねているという読み方に関心を持ちました。夫が奥さんに殺意を持っているという読み方には舌を巻きました。外に飛び立たないチーコが最後に、絵となって飛び立っていくことが、その後奥さんも夫から離れていくのではと思わされました。
(放送 宮川晃典)


最初に読んだときは、ただ死んでしまうチーコに同情しただけだったけれど、再構築後は、チーコも女も男も可哀想に思えてしまった。たった数ページのマンガがこんなにも奥深いとは!! マンガに対する考えを覆された授業だった。次回の構築もどんな風になるのか楽しみです。
(映画 大関奈緒


「行間を読め」と言われたことはありますが、マンガにも当てはまると知った時、とても興奮しました。描画的な技巧だけでなく、心に訴えかける技巧を学ぶことが出来ました。
(文芸 峯里織子)


人の感情が目に表れる、というのは以前から個人的に気になっていたので『チーコ』を通してその観点を再発見することができました。目は怖いと思います。
(文芸 藤塚玲奈)


正直、最初に読んだ時は何を伝えたいか分からない、という印象で、つまらないとも思っていた。しかし授業の度に新しい視点や観点を先生から学んだ結果、この数ページにここまで深い内容が、小さなコマにここまで大きな意味があるのかを気付かされた。
(文芸 入倉直幹)


チーコにでてくるマンガ家の男の人の性格が、だんだんと明らかになっていくのが面白かったです。最初は、暗いイメージだったのに、明るい所とか、チーコや奥さんに対して、意外とめんどうみがいい所など・・・。最後は、嘘をついたり・・・。
(放送 鈴木香波)


自分は女の人はやはりまだ男の人のことが好きなのだと思います。最後にチーコの絵をいじってみせたのは、自分のことをチーコのようにしないでという警告のように見えました。
(文芸 飯島辰典)


『チーコ』ついに終わりましたね。私的にはチーコは再生してほしいと思いました。そして今さらながら、私は自分から飛べない鳥です。
(文芸 崎田麻菜美)


『チーコ』を分析していって、マンガの奥深さを知った。マンガは絵と文字の集合で成り立つ為、その一コマの解釈次第で沢山の考えができておもしろかった。『チーコ』は、何気ない日常かと思えば、実はとてもこわい話なんだと思った。
(演劇 大渡佑紀)


男は怖いですね。私はどちらかというと“飛べる女”になりたいです。短編のマンガがここまで深く読めると知ってびっくりしました。
(演劇 石井絵理香)


『チーコ』を初めて読んだとき悲しくなった。再構築をして読んで色んな視点で見てみて、ウキウキした。深くてイイ! 強い女になろうと思った。
(演劇 福原由加里)


『チーコ』を最初に読んだ時には正直面白くないと思っていた。だが、授業を通して何パターンかの読み方を知って読んでみたらとても奥が深い作品だと思った。この作者の別の本も読んでみようと思った。
(放送 藤岡晃維)


解釈の自由って本当に酷く恐ろしいものだと思いました。漫画一本に対しての十人十色の解釈で、その漫画の意味が全く違うものになってしまう。『チーコ』の解釈は先生と全く違いました。深読みってこわい!
(演劇 平田美穂子)


マンガを再構築する事を学べました。深いです。女の難しい心の変化とか、人間の無意識な所とか、聞いててとても勉強になりました。
(放送 黒澤冴香)


最初に『チーコ』を読んだときは2、3分で読める短編マンガだと思っていたが、深読みすると恐ろしく長い作品だった。シュールだった。
(文芸 中村光


最初に読んだ時と180度見方が変わった。読みとり方は読み手の自由であり、視点を発見すればそれはもう1つの筆者の手の届かない所に到達するのだと思った。
(文芸 大野純弥)


色々な視点で作品を読むことで、読者も、そして作者も感動できるんじゃないかなと思いました。「ベルグソンの主張も、一つの視点にすぎない」先生の言葉がかっこよかったです。
(文芸 張俊熙)


本当に1ヶ月前最初に読んだといにはこんなにも深い話になるとは思わなかった。読者の数だけ解釈の仕方があるとはよくいうけど、先生が提示した3つの解釈の中でもたくさんの意味がこめられていると思うと実にシリアスな話だよなあと。
(文芸 柳瀬美里


色々な解釈の仕方があって面白いなあと思いました。最初に読んだ際にはサラッとして読みやすいと思ったけれど、深く読むと凄いということが分かりました。
(文芸 中島沙耶加)


男が「さあ出来上がり」と、チーコの絵を完成させた瞬間のコマがすごく怖い。背景が黒でベタ塗りされていて、遺影のような重さを感じてチーコの死のシーンがいっそう恐ろしく思えた。それを再構築バージョンに照らし合わせると更に怖い。
(文芸 亀本実世)


チーコを「Peace」のタバコ箱に無理矢理入れておいてそこを飛び出すのを見て楽しむなんて悪趣味だなあと思いました。奥さんも再生できればいいなあと思いました。
(文芸 佐野友美)