「文芸比評論」はドストエフスキーの『貧しき人々』

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「文芸比評論」はドストエフスキーの作品、特に『罪と罰』を重点的に扱う。最初の授業はドストエフスキーの一生を俯瞰し、『罪と罰』の現代性について触れた。この授業では汗をかくほど熱くなるが、今回は『貧しき人々』を取り上げる。この作品を読んで来た受講生は二人のみ。我と汝の対話的原理とその破綻。マルチン・ブーバーからフッサール現象学ハイデガー、ビンスワンガー、バフチンを概説し、『貧しき人々』と『カラマーゾフの兄弟』の共通性、バフチンの言うポリフォニック的思考法と唯一絶対の《我》の崩壊と、意識空間内分裂について講義。来週は『分身』を扱う。



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受講生の感想

今日の話を聞いて『貧しき人々』とっても読みたくなりました。
読んでみないとわからないけれど、今は貴族(ブイコフ)の人がいいです。
読んでから先生の話を聞いてもおもしろいと思うけど、
「先生の話」というとっかかりを持ってから読むのもおもしろいと思いました。
武田美穂・演劇三年)



印象として、ワルワーラはかなりしたたかな女と思います。
手紙の中でお金が必要と匂わせてマカールに貢がせるし、パシリにするし、
彼女はマカールがお菓子を送って来た時点で彼を弄ぶ気が満々だったように思えます。
やはり、台所のすみで暮らしはじめたこっけいな男としか、
彼女の目には映っていなかったのではないでしょうか・・・。
(秋田尭律・放送三年)


マカールのような男と付き合ったことがある。
彼は尽くす男としては非常に理想的ではあったが、
彼の愛に男性としての魅力はなく、あるのは奇妙な女々しさだった。
女が男を求めるとき、
そこにあるのはやはり、ブイコフのような身勝手な男らしさだと思う。
(山野目麗・演劇三年)


熟読していないのであまり書けませんが、〈愚鈍なマカールの悲劇〉というイメージ
がありました。
マカールにブイコフほどの財力があれば、もう少し違った態度をワルワーラにとれたのかな、と感じました。
次回からはきちんと読みます!
(名取和輝・放送三年)