「マンガ論」第二回(2002.4.26)

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「マンガ論」第二回(2002.4.26)は劇団四季のミュージカル『春のめざめ』に出演中の三人の俳優(田代隆秀・勝間千明・山下啓太)によるつげ義春の「チーコ」の演技披露など、内容豊富な授業を展開することができた。つげ義春のマンガは一コマ一コマに重要な、シンボリックな情報が詰め込まれている。文鳥のひなを買ったその日、妻は最終電車でも帰ってこない。心配して帰宅した夫の眼前に、酔い潰れて畳に伏した妻の姿。妻を疑う夫、怒りをあらわにする妻。はたして妻は指名客と浮気をしてきたのか、それとも酒を飲んでドライブしてきただけなのか。今年の受講生は全員、妻の浮気を否定したが、さて来週までにどのように心の変化が生じるか・・・


劇団四季の役者さんによる演技

男性と女性の視点では解釈もまたちがうと思いました。私は女なので、どうしても作品中の女の人に感情移入し、それを通して男やチーコを見てしまいます。私は、女が駅の階段を上っていくところに、プライベートからの決別(仕事モード、“女”を演じる)を感じました。女の人は、プライベートから仕事へ向かう時、いつも早足でさっそうと歩き、「よし、がんばろう」「行かなくては」と気合を入れます。特に家族、恋人、知人がいると切りかえがハッキリします。その表れと解釈していました。他の人の解釈と比較するととても面白いです。書ききれない・・・。(演劇 三田悠希)


前回よりさらに深く読み込んでいって、とにかく面白かったです。女の人は本当にただ飲んで帰ってきただけかなと思っているのですが、これからの授業で考えがどう変わるか楽しみです。(文芸 眞柄冬音)


先生に言われなきゃ気付かなかったことが沢山見えてすごく楽しい!!生徒と四季の人の演技も比べられて新鮮でした☆(演劇 鶴巻美加)


四季の人達の演技がすごくかっこよかったです。マンガ論には今日はじめて参加しましたがマンガの一遍からここまで掘りかえして話をみた事がなく、頭を使いつかれましたが深い世界と自由な発想が広がっていておもしろかったです。(美術 清水香織


まさかの劇団四季とのコラボレーション。この講義の懐の広さと清水教授の柔軟性にとても感激を覚えました。(放送 山口祐輔)


チーコの再構築バージョンは、前回の授業では少し違和感を覚えていたのだが、今回読み進めていくと、2通りのストーリーを無意識に想像できるようになった。今日、読んだところで女性が酔いつぶれて倒れていたシーンがあったがとても不思議に思った。私なら動物のヒナを買った当日は心配だし、家に帰りたくてそわそわすると思う。しかも女性は帰宅後も文鳥を見ずに布団にくるまっていた。不思議だ。(文芸 亀本実世)


演技をして下さった方々の演技を見ていて、このマンガの女性(奥さん)が、どことなくエロチックな存在に思えてきた。それが大きな発見だった。(文芸 北村哲士)


本物の劇団四季の人が登場して楽しかった。劇団の人たちもすごかったけど、日芸の人たちもさすがって思った!そのまま読み通すと、ちょっとよくわからない暗い話だったチーコが、清水先生のように考えると、重大なことのように思えて、色んな視点から見ることができて楽しいと思った。(文芸 小林里純)


今日から授業をうけたのですが、ふだん何気なく読んでいるマンガでもひもといていくと奥がふかいなと思いました。四季に人は「これが四季!!」ってかんじの演技でした。(演劇 森島縁)


今回も面白かったです。まさかプロの劇団の人がきてやってくれるとは思わなかったのですごく驚きました。再構築の方でいくとせっかく生まれた子供が死んじゃう話なのかと思うと少し切なかったです。(文芸 柳瀬美里)


女は男のことが本当にスキなんだと思います。こんなに何もしてなくてしょうもない男のそばで生活を支えているんだから、「もう別れたい」と思っても、そいつに少しでも優しくされると許してしまう女なんだと思いました。私も同じ感じだからちょっとわかるかも・・・(演劇 土井玲奈)


プロの演技が見れてたのしかった。マンガは深読みすればするほど色々な考えが出てきておもしろいと思った、“思考”がかかれていなく、言葉(台詞)だけなので読者それぞれの受け取り方があるのだな、と思った。(文芸 浅沼杏奈)


劇団四季の方々に読んでいただくと、とてもその2人の関係がよく分かりました。はっきりと台詞も聞こえました。タタタタという階段を上る動作音?で、主人公の心情が分かるのは本当に感動しました。(映画 細田千尋


劇団四季の映像、演技に感動した。でもみなさんそれに負けない頑張りで「チーコ」を演じていてすごかった!!まんがには描く人には気付かない部分があって、それを何重にも感じるってことを初めて知った。世の中深いなーぁ(笑(放送 佐々木明奈)


プロの方の演技が見れてよかったです。四季の方との発声法の違いが面白く、まるで演技の勉強をしているみたいでした。(演劇 榊林乃愛)


すごい豪華な授業。ものの見方や考え方が授業の始めと終わりで変わっているのが分かる。(文芸 入倉直幹)


劇団員さんの演技を見れて良い経験したなーと思いました。再構築したあとの女性は惨めでかわいそう....。今後も幸せにはなれないように思えてきた。(映画 大関奈緒


奥深く読んでいこうと思うとどこまでも深く読めて、驚きました。(演劇 石井絵理香)


劇団四季の俳優さん達は、自然味のない演技だったが、間の取り方は学生よりよっぽど上手かった。さすがだと思った。(文芸 植木秀和)


今日は劇団四季の方々の演技が見れて新鮮な授業でした。あんまり演技のことは分からないけれど凄かったです。(文芸 中島沙耶加)


男が嫌な性格とばかり先生はおっしゃっていましたが、女もたいがいだと思います。「いいもの見つけちゃった」の後、「何を?」と聞いているのに、それに答えない女は最初から買ってもらえないと思っているのではないでしょうか。(文芸 森本純平)


主人公以上の男性が現れたらすぐにでも出ていくわ、と思っていても結局は変に情が湧き、離れられないでいるように見える。関係を結んだとは思わないが、家に帰りたくない余り店で出会った男性を頼って長時間外をふらふらしていたのではないかと思う。(演劇 森永志音)



劇団四季の役者さんによる「チーコ」の演技


演劇学科演技コースの受講生による「チーコ」の演技

演劇学科演技コースの受講生による「チーコ」の演技

演劇学科演技コースの受講生による「チーコ」の演技

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